46の日常。

□9本目 ざわ。
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工事中の楽屋で、ミコトと佐藤楓は隣同士に座っていた。


楓 「もーいーくつねーるーと…おーしょーおーがーつ…」


『…………でんちゃん、いくつ寝る気の?』


楓 「え……イツクデスカ?」


『ふふ、いくつかなぁ』


楓 「でも、もう9月も終わっちゃう…あと3ヶ月ですよ!」


『1年ってはやいなぁ』


楓 「ですね。 乃木坂加入してからは本当に早くて…」


『もう2年だもんね』


楓 「はい」


『どう? 2年間楽しかった?』


楓 「うーん…大変な事もいっぱいあったけど、楽しい事のがいっぱいあったです」


『そっか。 良かった』


楓 「ミコトさんは、アイドルからスタッフさんになって楽しいですか?」


『うん。 めちゃくちゃ楽しいよ』


楓 「ふふ、良かったです」


『あ、そういえば……』


楓 「?」


『これ、でんちゃんにあげる』


そう言ってミコトは着ているパーカーのポケットからチョコを出す。


楓 「わー、ありがとうござます」


『来る時にコーヒー飲んだら、そこの人がくれたんだ』


楓 「へ〜。 ん、美味しい…!」


『でしょ? いつもくれるんだよね』


星野 「あー、そのチョコみなみも好き!」


『みなみのもちゃんととってあるよ』


ミコトはもう一個ポケットから取り出して星野に渡す。


星野 「嬉しい!」


『ふふw』


橋本 「私達のは?」


深川 「ないの?w」


『もちろんあるに決まってるじゃん? はい、どーぞ』


2人にも同じチョコを1つずつ。


楓 「………………ミコトさん、私もう一個食べたいです」


『えー、もうしょうがないなぁ』


そう言ってまたポケットからチョコを出す。


楓 「………………ふしぎなポケット…」


『あははw それで最後だから、もうないよw』


楓 「わ、ビックリした…叩いたら増えるのかと思った」


『そんなバカなw ポケットに手入れてごらん?』


ミコトにそう言われ、佐藤はミコトのポケットに手を入れる。


『ないでしょ?』


楓 「はい」


『じゃあ、一回ポンっと叩きます』


楓 「?」


『ほら、もう一回手入れてみて?』


恐る恐る手を入れると、そこには先程のチョコが。


楓 「え……ナンデ?」


『ふふ、何でか当てられたら好きな所連れてってあげるよw』


そう言われて真剣に考えるものの、一向に答えは出ず数分。


『………もう良い?w』


楓 「でも、答えないと…」


『無理に答えなくて良いよーw』


楓 「そうじゃなくて、答えればミコトさんに何処か連れて行って貰えるから」


『ヤバ、その台詞だけでどこでも連れてけるけと…?』


橋本 「w」


『行きたい所、考えておきなね』


楓 「ヤッター」




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『ざわ、来週の木曜暇?』


梅澤 「えーと……夕方からオフです。 でも、ざわって呼ぶ人はパンチですよー?」


『ははw じゃあなんて呼べば良いの?』


梅澤 「うーん……」


『美波だと、みなみも欅のみぃちゃんも振り向くもん』


梅澤 「だから、普通に梅澤で良いですよw」


『やーだ』


梅澤 「何でですかw」


『もっと可愛い呼び方が良いんだよね』


梅澤 「ざわって可愛いですか?w」


『それは……それは置いておいてw』


梅澤 「適当すぎますよw」


『私だけの呼び方っぽくて好きなんだけどな〜』


梅澤 「まぁ…確かにミコトさんだけですね」


『じゃあ、ウーメン』


梅澤 「却下でw」


『あ、表題ちゃんは?』


梅澤 「表題ちゃん…?」


『ウーメンウーメンウェーメンウェーメン…エーメン!』


梅澤 「あーなるほど。 でも、却下でw」


『えー…じゃあ何が良いのさ…』


梅澤 「だから、梅澤って呼んでくださいよw」


『はいはい、ざわちゃん』


梅澤 「っw あ、そう言えば…これ見てくださいよ。 可愛くないですか?」


そう言って梅澤はスマホの画面を見せる。


『んー? あ、れんか?』


梅澤 「そうですw」


『ふふw 寝顔見るとやっぱ子供だなぁ』


梅澤 「ですよねw」


『おんぶしてる時に寝られた事あったけどw』


梅澤 「あー、寝てましたねw」


『あれは可愛すぎてw』


梅澤 「あははw 」


『ざわの寝顔も可愛かったけど』


梅澤 「え…?w」


『私のスマホに写真あるよ?』


梅澤 「やめてください!//w」


『多分、全員の寝顔あるわ、うん』


梅澤 「なんの趣味ですかw」


『他にも色々あるよ?w』


梅澤 「えーw 怖いw」


『いつか、私の撮った写真だけで坂撮出版するわ』


梅澤 「あははw ありそうw」


『もー、そんなに言うなら表紙はざわの寝顔だね』


梅澤 「やめてくださいw」




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