THE WORLD

□THE WORLD
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篠田 「え、カルヴァリー大陸行くの…?」


『うん』


篠田 「死んだらダメだよ」


『死なないですよ。ただ、死ぬほど大変だろうけど』


篠田 「期間は?」


『最低でも一ヶ月…と言うよりは、ZEUTHが来るまでは居たいと思ってる』


篠田 「そう。まぁ、許可するわ。ただし、南那ちゃんは駄目よ」


『………どうしても?』


篠田 「どうしてもって、伊織だってあそこがどんな所か知ってるでしょ。あそこが、1年に耐えられると思う?」


『まぁ、並大抵の1年じゃあ無理でしょうね。でも、南那なら大丈夫』


篠田 「………はぁ。特別よ」


『ありがと』


篠田 「その代わり、ZEUTHが攻めて来た時には、自力で出て来てね」


『うん、分かってる』


篠田 「じゃあ、気を付けて」


『うっす』


伊織は立ち上がり、テレポートで篠田の部屋から消えていった。


篠田 「カルヴァリー大陸……伊織…絶対に全員で戻ってきてよね」








UZA魔術高等学校 戦伐寮 伊織と横山の塔


南那 「じゃあ、私も行けるんですか…?」


『あぁ』


南那 「ありがとうございます!」


『ただ、後悔する事になるかもな』


南那 「そんなに、厳しい所なんですか?カルヴァリー大陸って…」


小木曽 「カルヴァリー大陸……キリストが死んだとされている所ですよね」


茉夏 「噂は、聞いた事あります…戻って来た人の殆どが、2度と行きたくない所だって……でも、それ位しか知りません」


横山 「実際、この学校であそこ行って戻って来たのは、篠田さん位やしなぁ」


南那 「っ………」


『まぁ、事前情報で不安にさせる可能性もあるけど…知らないよりはマシだと思うから話すよ。カルヴァリー大陸は、面積で言ったらAS大陸の15分の1程度しかない』


小木曽 「あ、そんなに小さいんだ…」


『身体に掛かる重力は、MAX時で74.8倍。気温は最高72度、最低−61度。太陽がアホほど照る時もあれば、豪雨時には1時間に1900ミリにもなる。必然的に、湿度は3%〜98%。酸素量は、場所にもよるけど、基本は80%〜30%』


茉夏 「………何も、言えないですね…」


『そこには魔獣が結構居るんだけど。最低SSランクの魔獣しか居ない。それ以下の魔獣は、カルヴァリー大陸に適応出来ないみたいでな』


横山 「最低でもSS…おもしろそうやなぁ」


『ZEUTHが侵攻して来るまで、俺はそこに滞在する』


南那 「…………」


『お前らは、無理に付き合わなくて良いからな。限界だって思ったら、無理しないで外界に戻りな』


小木曽 「……絶対、最後まで居るっす」


茉夏 「私達は、自分から言いだしたんですから」


『そっか。でも、無理はするなよ』


南那 「あの、ZEUTHが侵攻して来るまでって言ってましたけど…カルヴァリー大陸ってここから近いんですか?」


『いや、最低でも半日は掛かるかな』


南那 「それじゃあ、侵攻を食い止められないんじゃ…」


『そこは抜かりない。佐和子さんが、UZAとRIVERを繋ぐ空間を作ってくれている。それが完成すれば、UZAとRIVERは数秒で行き来できる様になる。どっちに来ても、大丈夫だ』


南那 「まさに、総力戦なんですね…」


『明日、ここを発つ』


小木曽 「はいっ」


南那 「分かりました」


横山 「ほな、南那は自分達の部屋戻り?」


南那 「はいっ!おやすみなさい!」


『じゃあ、明日な』


茉夏 「私達も、寝よっか」


小木曽 「うん、そうだね」
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