THE WORLD
□THE WORLD
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『なんで私が挨拶しなくちゃならねぇの…』
彩 「しゃあないやろ。去年の戦伐総選挙で1位やったんやから」
『ったく…こんな事ならあんなに討伐行くんじゃ無かったぁ』
彩 「今更や」
珠理奈 「そうだよー、伊織は実力で言っても1番は揺るぎないんだからさっ」
『そりゃもちろん』
指原 「その自信はどこから湧いてくるのか…」
『いや、湧いてくるも何も、事実だし』
彩 「まぁええわ。はよ行ってき?新入生諸君が待っとるし」
『はいはい…』
伊織は、項垂れながらも壇上に上がり、数百人の視線を一身に受け、話し始める。
『……1週間後にはこれが何人になってるかな…半分か…三分の一か……まぁ、とりあえず1ヶ月頑張れ。1ヶ月経ってもまだここに居るのなら、私達は諸手を挙げて歓迎するよ』
横山 「なんであんな上からやねん…w」
『まぁ、とりあえずは入学おめでとうございます。ようこそ、世立・UZA魔術高等学校へ』
時は新西暦48年。
世には魔術が栄え、魔法を使える者たちが五分の一を占める世界。
その中でも、超が更に五個付いてもおかしくないほどのエリート校。
それが、世立・UZA魔術高等学校なのだ。
高柳 「伊織!なんであんな横柄な挨拶するの!」
とある談話室で正座させられているのは雪平伊織。
この物語の主人公である。
『だ、だってさ、毎年毎年そうじゃん。2ヶ月もしたら入学生が半分になるのは毎年だろ?』
高柳 「だからって、今年もそうだって決めつけちゃダメ!」
『っ…』
高柳 「せっかく頑張ろうって思ってるのに、伊織の所為で怖いイメージ付いたらどうするのよ!」
『いや、怖いも何も…あいつら絶対明日には人数減ってるぜ?根性がねぇんだよ』
高柳 「っ…もうちよっとそのままでいなさい!!」
高柳は、伊織に緊縛の魔法を掛けて椅子に座る。
『おーい、私縛られる趣味ねぇんだけど〜』
玲奈 「伊織さん、可哀想…」
『でしょ?』
高柳 「甘やかしちゃダメです!たまにはこうやって反省させないと!」
『んー…私、こんな魔法なら寝起きでも破れるんだけど………ってか、むしろちゅりを縛りたいかも』
高柳 「っ、何言っんの!?」
『いや、縛るって言ってもあれだぜ?こんな雑にじゃないよ?もっと面白くやるんだけどw』
高柳 「っ………コロス」
玲奈 「へ、ち、ちゅり…?」
高柳 「ピピ!!」
高柳がそう叫ぶと、高柳の足元に異空間が出現し、そこから1匹の鳥が。
『わお、八咫烏じゃん。お久しぶり』
八咫烏 「雪平の小僧か。なんだ、何やらかした?」
『いや……なにも?』
高柳 「こいつ、焼き殺して!」
八咫烏 「え、いいのか?」
高柳 「思う存分!丸焼きにしちゃって!!!」
高柳がそう言うと、八咫烏は伊織に向かってなんと火を吹いた。
『あー、やばいやばい』
伊織はそう呟くと、後手に縛られた指をパチンと鳴らす。
数秒後、伊織が居たところは、丸焦げどころか、所々鉄などが溶けていた。
高柳 「そろそろ良いよ」
高柳の言葉で、八咫烏は火を拭くのをやめる。
八咫烏 「雪平の小僧、消し炭になったんじゃないか?」
高柳 「そうなってたらそうなってたでいいけど…ま、伊織なら逃げたでしょ」
『その通り』
高柳 「っ!?」
伊織は、高柳の背後に現れる。
『影傀儡…動けないでしょ?』
高柳 「くっ、」
玲奈 「影傀儡とは、伊織さんの1番得意とする魔法である。それに縛られたものは、文字通り伊織さんの傀儡となってしまう…」
『ご丁寧に説明ありがとさん』
高柳 「もー、解いてよ!」
『いやいや、私殺されかけたんだぜ?そう簡単には…ねぇ?』
そう言って伊織が指を動かすと、高柳の意思とは関係無く身体が動く。
高柳 「ちょ、ちょ、何する気!?」
『いや、ちょっとおもしろいポーズをして貰おうかな〜とw』
高柳 「やめれー!!」
『はははw』
伊織は笑いながら魔法を解除する。
玲奈 「あまりいじめちゃ駄目!」
『はーいw』