風の歌姫(夢幻の砂時計)
□強力な助っ人(?)
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モルデ島に上陸する。私達は船から出て島に足を踏み入れる。
「あの霧では思うように進めないし、いったいどうすりゃいいかな? 紋章を指し示す所も、あの霧をなんとかしなけりゃ辿り着けそうにないぜ……」
「それじゃ、私達が探してくるからラインバックはここでちゃんと船を見張っていてよ!」
「あたりめーだろ! さっさと行ってこい!」
そう言ってラインバックは船の中に入って行った。とりあえず私達は二手に別れて村……じゃなくて島の人の話を聞くことにする。
女の子からの話をまとめると、このモルデ島の男は漁に出て、女は留守番をしている。
「……あれ? なにこれ……?」
その女の子の近くに石碑があったので読むことにする。
【航海日誌 その1】
【北の海に広がる霧の海抜けようとしたが、どうしても抜けられなかった。なんども同じところに戻されるようで怖くなって帰ってきた】
「その1って事はほかにもあるのかなぁ……」
道筋に沿って歩くと2つ目の石碑を見つけたので、続きを読む。
【航海日誌 その2】
【ついに霧の海をぬけ最北の地に島を発見した! ずっと風のなびくその島を風の島と命名する】
「て、事はその風の島に精霊がいるんだ!」
私は早く続きが読みたくて石碑を探す。だが見つけられない。
「……あれ? もうないのかなぁ?」
リンクを探すも見つけられない。結局、船に戻って待機する。船に戻ると、ラインバックが椅子に腰掛けながら寝ている。
「ふぁあ……何だか私も眠くなってきちゃった……」
私はラインバックが座っている反対の椅子に腰掛けて寝てしまった。
………い…………………………。
い? いっていったいなんだろう……?
い…………お……お……。
い……お?
「おい! 起きろリュア!」
そう言われて私は重たい瞼を開く。そして顔を上げると、リンクが私を見ている。
「……あれ? リンクだ……おはよ〜」
私は寝ぼけながらもリンクに軽く手を振り挨拶をする。リンクは私の頭を撫でてくれる。私は再び寝ようとしたらリンクに頬を抓られた。
「いっ!? いひゃいよリンクぇ!」
「それなら起きろ! もう風の島に着いたんだ!」
「え、嘘!?」
私はその事を聞いて、一気に目が覚める。そして船から出ると、既に島に上陸している。
「なんで起こしてくれないの?」
「ね……寝顔があまりにも可愛いし、幸せそうな顔をしてたから起こしづらくて……」
そう言いながらアタフタしているリンクを見る。幸せそうな顔をしていた理由が何となくわかる気がする。
久々にテトラ海賊団の皆と一緒にたくさんのお菓子を食べる夢だったからなぁ〜。て、思うと本当に菓子が食べたくなるからやめよう。
「それじゃあ行こう!」
「そうだな!」
私達は意気を合わせて船から出て、風の島の探索を始める。その時……悲劇が起こった。
階段を登った瞬間に強風が吹き、スカートが捲られた。この時……誰もが疑っただろう。いや、こうなる運命だったんだ。
本人も驚いたし、彼氏も妖精も……更には船を青いコートを着た人も驚いている。
風という名がついたほど風が強いことが分かるはずなのに……なぜ彼女は……下にズボンを履かなかったのだろうか?
その彼女の反応は……。
「いぃぃぃぃやぁぁぁぁ!!??」
私は顔を赤くし、スカートを抑えてその場に勢いよくしゃがみ込む。
「み、見てないからな! 藍色のフリルがついたパンツとか……。ましてや今のリュアの状態で泣き目になっている所が可愛いとか……」
「見てるじゃん!!」
恥ずかしさのあまり、私はリンクとラインバックにビンタをかましてしまった。