風の歌姫(夢幻の砂時計)

□大砲が欲しい!!
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 シャワー室で汗を流し、髪の毛をまとめる。長い髪をまとめるのは正直言ってめんどくさい。

 でも、この髪型をリンクが気に入っているのでしばらくは切ることは無い。


「リンク〜ラインバック〜出たよ〜」


 私はリンク達がいる部屋に戻ってくると、料理が沢山出ていた。


「あ、リュア! 凄いぞ、これ全部ラインバックが作ったんだぜ!」


 意外にもラインバックは料理が出来るそうだ。それよりも、リンクの喜び方が子供だ。


「お! 来たかリュア……じゃ、俺が次に入……」

「俺が先に入るな!!」


 リンクはまた、被せるように言った。そんなリンクを見てラインバックは呆れ顔をする。


「わーったよ。先、入ってこい」


 ラインバックがそう言うと、リンクが物凄いスピードでシャワー室に入っていった。


「……」

「……いつもあんな感じなのか?」


 沈黙が続いていたが、ラインバックの言葉により普通の会話に戻る。私は困り顔をし、頭を手で抑えながら頷く。


「信じたくもないけど、私の次は大抵リンクなんだよ……」


 溜息をつくと、ラインバックがどうしてなのかを察してくれた。


「……な、なんか……流石だな……」

「…………でしょ?」


 ラインバックが晩飯を食べ終わり、片付けを始めていた。


「リュアも飯が不味くなる前に早く食えよ?」

「あ……うん…………分かった!」


 私は椅子に座り、手を合わせてから「いただきます」と声に出してご飯を食べる。ラインバックの料理はとても美味しかった。


「…………美味しい……ラインバック! 今度、ご飯の作り方を教えて!」

「おうよ! 今度教えてやらぁ!」


 胸に手を当ててカッコよく見せるラインバックと同時にリンクが入ってきた。


「は、早くねぇか!? ……ま、いい。俺も入ってくるからな!」


 リンクとラインバックは入れ違いになった。私が晩飯を再び口にしようとしたが、リンクに取られてしまった。


「ちょっとリンク! 何をして……んむっ!?」


 私は文句を言おうとしたが、動かせない。目の前にはリンクの顔があり、私の口の中にさっきリンクが食べていたものが入ってくる。


 これが世にいう口移しというものか……って、何さらっとしているのよ!!

 私は口の中に入ってきたものを飲み込んだ。そしてリンクを引き剥がすために彼の頭を思いっきり押す。


「いっ!? 痛いってリュア!!」

「リンクがいきなり口移しするからでしょ!? 私にも心の準備が必要なの!」


 それでも離れようとしないリンク。あぁ……早くラインバックが来て欲しい……。2人っきりだと……何をやらかすか分からないから怖いんだけど。


「……!?」


 私の両手を片手で掴んで床に押し付けて身動きを取れなくさせる。そして地味に股ドンしてやがる!!

 どういう状況だ……床ドンされながら股ドンされるとか……。


「ね、ねえリンク。その手を離して! あと膝の場所可笑しいから! 退けて!」

「……嫌だ! 今から俺のモノだって事を自覚させてやる!」


 待て。ガチめに嫌な予感しかしないよ。下手すれば事後になっているのでは……!!


「いゃ……お願い…………やめて…………」

「えー、可愛いからやだ!」


 あっさり断られた!? あぁ……明日は一日中動けなくなるのか……。もう私は諦めていた。

 そんな時だった。目の前に神様が現れたような感覚がした。


「俺も上がったぞー……って、おい! 人の船だぞ! ヤろうとするな!!」


 このタイミングでラインバックが入ってきたのだ。そしてラインバックがリンクを掴む。


「あ!? ラインバック放せよ!!」

「嫌に決まってんだろ! だいたい、お前らまだ子供だろ?」


 ラインバックに言われて私は頷く。私は立ち上がろうとしたが、腰が抜けてまたその場に座り込んでしまった。


「…………こ、腰が抜けて立てない……」

「よし! 今から一緒にベッドに行こう!」


 そう言って私をお姫様抱っこしてどこかに行こうとするリンク。


「だからここ、俺の船だって! ここでヤったら許さねぇからな!」

「野外ならいいんだ!」


 何故そうなったし! これじゃ私が恥ずかしいだけじゃ……。


「外に行く時は私がついて行くから!」

「私もいるから!」


 そう言って私達の周りを飛び回るシエラとリーフ。ま、いないよりはまだマシかな……。
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