風の歌姫(夢幻の砂時計)

□火の島
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 そして火の島に上陸する。火の島という名の通り、火山がある。船場の近くに何個か建てられている家。そこにフォーチュンがいるのだろう。


「ここがじいちゃんの言ってた火の島ね! やっとついたわ!」


 この島の真ん中に大きな火山がある。今にも、火山弾が来そうでハラハラする。


「おう! 俺様の素晴らしい舵さばきはなかなかのもんだったろう?」


 そ、そうなの……? 私は呆れ顔でラインバックを見て、シエラが言う。


「よく言うわよ! 島の場所も知らなかったくせに……」

「なんだと!? ふんっ! 素人には俺様のすごさがわからネェんだよ!」


 ラインバックはこちらを向いて聞いた。


「リンク……オマエは分かるよな?」

「全然!」


 リンクはわざとらしく笑顔で答えていた。な、なんか……ラインバックに会ってから少し反応が変わったような……?


「……まったくどいつもこいつも俺様をなんだと思ってんだ……。リュアなら分かるよな?」


 わ、私!? ま、まぁ……わからなくはないんだよ。


「ま、まあね……」


 私は3人とは視線が合わないように目線を反らしながら言う。


「そらみろ! リュアはちゃーんと分かってるじゃネェか! それじゃあ、オマエら。早くフォーチュンって占い師を探しに行ってこいよ! 俺様は船の整備をするから忙しいんだよ……」


 そんなラインバックを見送る私は、リンクと顔を見合わせて占い師……フォーチュンを探しはじめた。

 私とリンクは別に行動する。シエラはリンクについて行くらしい。でも、一応シエラも女の子。取られたりしないか心配になってくる。


「人間じゃないから……大丈夫よね?」


 私は家の中を探しはじめた。おかしな事に、燭台のある家も会ったけど……。占いの家らしき場所に来て地下に下りてみると雰囲気が変わった。

 その雰囲気の変わりように不思議に感じながらも歩いていると扉がしまった。そして魔物が出て来る。


「こ、こんなにも!? でも今まで戦ってきたなかではこんな奴ら……」


 チンピラにしか過ぎない!!

 私は魔物を全部倒すと、降りてきた階段の扉が開いたが来たときから開いてないトビラが気になった。すると、扉の向こうから足音が聞こえた。もしかして、この奥に……?


「お〜〜い!」


 私は一か八か声を出して人がいないか、確認した。


「……だれ? 誰かそこにいるの?」


 向こう側に人がいるみたいだ。どうやら声は届いたらしい。


「魔物はいなくなった? 早くここから出してちょうだい」

「魔物はさっき私が全部倒しました! もしかして……貴女が占い師のフォーチュン?」


 他の家にはいなかったから、ここに絶対フォーチュンがいるはず!!


「いかにも……わたくしがフォーチュンです」


 やはり、フォーチュンだった。それなら何故ここに?


「扉の隣にある壁掛けの地図に燭台が会った場所に触れると開くようになってますの……。どなたか存じませんがこのトビラを開けてくださいまし?」


 フォーチュンの言った通り、扉の横にはここ……火の島の地図がある。


「はい。このトビラを開けてみます」

「ありがとう! それじゃ、よろしくお願いしますわ」


 私が分かるのは1つだけで、後の2つはわからない。なので、リンクを探しに行こうとした。
 この部屋から出ようとした瞬間にリンクが入って来る。


「リュア! 燭台はこことここに……!」


 リンクに言われたところと自分で見つけた燭台のところに指を当てると、扉が開く。中から赤い髪の美しい女性が出てきた。

 フォーチュンという名に相応しい美しさだった。
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