風の歌姫(夢幻の砂時計)

□火の島
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 炎の神殿の入口まで来たが、扉は開いていなかった。


「これじゃあ、炎の神殿に入れないな……」

「う〜ん? 周りになにかないか探してみよう!」


 階段を上り、右側に行くと石碑があり、石碑には、こう書いてある。


【風前の灯し火消えゆく息を吹きかけ道をひらくべし】

 そういえば、炎の神殿の入口の横にはろうそくがあったような……?


「そっちに何かあった〜?」


 私の反対側に行ったリンクとシエラに大声で聞いてみる。


「20ルピーしかなかった!」


 リンクの返事を聞いた私は急いで神殿の前に戻る。リンク達が来る前に、ろうそくの火を消すと扉が開いた。


「これでよし!」


 ちょうど、リンク達が戻ってくる。炎の神殿の入口が開いている事に気がついて驚いていた。


「リュア!? いったいどうやって開けた?」

「……ただ、普通にろうそくの火を消しただけだよ」

「それじゃ! 炎の神殿のなかに入って闇の力を倒しましょ!」


 リンクと久々のダンジョン……ワクワクする……と、思ったのも束の間。


「うぅ……なんだか暑いわね……」


 前をよく見ると、炎の道がある。


「うぇ……あちこち燃えてる……炎に触れたら大変だな……」

「ヤケドしないように気をつけてね!」


 ダンジョンの中は、ファイアーバーがあった。当たらないように気をつけて先に進んでみる。すると、何か壁に書いてあった。どこかの拡大地図が載っていてこうかいてあった。


【急がばまわれ 正しき道を歩むべし】


「何だろうこれ……? ちょっと地図にメモるね」


 私はその矢印の通りに道筋を描いて、リンクに返す。大きな部屋になると、扉がしまった。今度はキースが現れる。リンクと協力して倒し終わると、火がついていたところがなくなった。


 宝箱から鍵をとると、鍵のかかった部屋を開けると、怪しげな部屋に来た。行きなり、隣の足場がなくなり落とし穴だ。


「危な! リュア、シエラは危ないからそこで待ってて!」

「うん!」


 そしてリンク1人で行く。どこかの扉が開く音がした。


「待たせたな! ほら、行こうぜ!」


 私達は階段を上って2階に行った。さ、さすがにもう……暑すぎる。なので、ジャケットを脱いだ。すると、シエラが叫びはじめる。


「ちょ、ちょっとリュア!? 暑いのは分かるけど、それは着ていて!」


「えぇ〜ど〜してよ〜?」


 私がシエラに聞くと、前を見ていたリンクがこちらを見る。


「リュア!! 俺からも頼む! 着てくれ!」


 えぇー!? 暑いのに〜! 仕方なく私はジャケットを着た。

 うぇ……。汗でベタベタしてて、気持ち悪いなぁ……。あれ、何かリンクとシエラが話している……? なんでだろ?













 いきなりリュアが、紫のジャケットを脱ぐから驚いちゃった。私がリュアにジャケットを再び着てもらったのは、リンクのこと。

 彼はものすごくリュアが好きだから、理性壊して、襲いそうで怖いわ。ついでに、ジャケットを脱いだ本人からは聞こえないように、リンクと話をした。


「シエラ……ありがとう。俺……後少しで理性を壊すところだった……」


 や、やっぱりね……すぐに着てもらってよかった〜!


「リンクのことだから今日会ったばかりでも少しは分かるよ! 彼女であるリュアについて語りはじめる人だから」


 そういうと、リンクが「な!? 好きな人だから当たり前だろ!?」と言ってきた。


 当たり前じゃないんだけどなー。


 そんなリンクと私の話についていけなくて、オロオロしているリュアを見て、見守っていたいと思う。
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