風の歌姫(夢幻の砂時計)
□プロローグ
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「リンク! リュア! 気に入ったぜ! そういう事なら俺様に協力しろ!」
ラインバックがリンクから手を離す。フラフラと立っているリンクを私は、リンクの背中に手を回して支えてあげる。
「俺様も幽霊船の手がかりを探しこの神殿までやってきたのよ! だが、残念な事で足をくじき、歩けなくなっちまったってワケだ」
リンクは疲れたのか、私に体重をかける。さすがに男子を支えるのは辛い。
「さ、さっき思いっ切り走ってたろ」
私がラインバックに言うと、片足をあげてわざとらしく言う。
「バッバカいえ! いまでも足がズキズキしてるってんだよ! いってー! アイッテー……とにかく! 幽霊船の手がかりがほしいなら……」
今度は私を掴んで思いっ切り揺らされる。
「俺の代わりにオマエらが行け! この先にあるはずの幽霊船の手がかりをとってこい! それがありゃグッと幽霊船に近づけるんだよ
いいな!」
うぇ……は、吐き気がする……今は、話を聞いてる場合じゃない……。すると、ラインバックが手を離したためその場に落ちて倒れた。
リンクが私のかわりにラインバックから小さなカギをもらった。
「ちょっと……外します……」
私は少し離れたところでゲロを吐いた。
「す、すみません……少し見苦しい物をお見せしました……」
「……無理はすんなよ?」
「そっち……こそ……」
リンクとシエラは行ってしまい、ラインバックと2人きりになった。リンクが来るのを待っていたらラインバックに話し掛けられた。
「そういりゃ、リンクってどういうヤツなんだ?」
そういわれてドキッとした。と、とりあえずリンクのいいところを全部言おう。
「リンクはね、優しくてかっこいいし、家族思いなんだよ。まあ、今は離れているけどね。リンクかっこいいよリンク。後、ときとぎ変なところもあるけど私の事を大事にしてくれてるんだよ! そんなリンクも私は大好きだよリンク。最近はよく私の赤面を見たいのか、よくいきなり抱き着いたり、構ってほしい時もあるの! 甘えん坊のリンクも可愛いからいいんだよね! それに……」
「もういい……話はズレたが、リンクがどういうヤツか一応分かったし、オマエの愛も伝わった」
そういってラインバックを見ると、真っ青になってお腹を左手で抑えて右手をこちらに向けていた。
「……なんか、ごめん」
「大丈夫だ……俺は先に外に出る……」
そういってラインバックはひとりで先に海王の神殿から出る。すれ違いのように、リンクが戻ってきた。
「戻ってきたぜ! ……って、ラインバックは!?」
「私がラインバックにリンクがどういうヤツか聞かれたから、私が答えたら真っ青になってお腹を抑えて外に出たよ?」
私がそういうと、シエラが呟いた。
「……きっとラインバックもリンクと同じような長い話を聞いたんだ」
え……? リンクもなの?