風の歌姫(新生のハイラル)
□プロローグ
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幽霊船事件か1年が経った。私は14歳になっていた。相変わらずハイラルになりそうな大地は見つからないけど……。
私はため息を着いて海を見ていると、隣に誰か来た。そちらを見ると、テトラがいた。
「大丈夫かいリュア?」
テトラは親友だから、このテトラ海賊団のなかで一番話しやすい。まあ、女性がテトラだけって言うのもあるけど。
「大丈夫だよ。あの日からもう……2年が経つんだね」
あの日。それは、ガノンドロフを倒しハイラル王から、私達にハイラルを創るという約束をした日。そして、ハイラル王とスカイと別れて、リンクと共にテトラの船に乗って大地を探し始めた日である。
「そうだね。でも、他の島に聞き込みをした時に、とても大きな大地が近くにあるって話じゃないか」
「それは、そうだけど……」
私はそう呟きながら、下を向いた。最近、心配性になって来た。もしもの事だけど、顔を上げてテトラを見る。唇を震わせながら口を開いた。
「もし……もしもだよ? その話が嘘で大地が無かったとしたら? この行動が無駄だったら、どうするの?」
テトラに聞くと、彼女は腕を組んで空を見て考え始めた。しばらく私達の間で会話が続かなかったが、リンクやダーク……ニコの声が聞こえて沈黙にはならなかった。
「まあ、その時はここで過ごした思い出を楽しめばいいんだよ。リュアだって、この船での出来事……楽しんでるだろ?」
そう言われて、私の中のモヤモヤはスッキリしたような気がする。私は微笑んでテトラにお礼を言う。
「ありがとうテトラ」
「別に気にしなくてもいいさ。仲間の事を大切にするのが当たり前だからね」
軽く目を瞑り胸に手を当てて深呼吸をする。目を開けてテトラを見ていると、右手をグーにして親指でとある人物を指した。
「そろそろリュアの友達が来る頃じゃない?」
「……え?」
テトラがそう言った瞬間、私の方向に走って来たのはダークだった。ダークは私を盾にして背中に隠れる。前を見ると、リンクが立っている。ニコは別の場所にいて、リンクとダークを見ていた。
「いいのかリンク!? リュアがどうなっても!」
「クッ……。てめぇ卑怯だぞ!?」
私は逃げ出したかったが、生憎ダークに肩を掴まれているため出来ない。テトラに助けを求めるが「私は知らないよー」と言うような顔をして、どこかへ行ってしまった。
「ダーク、こういう時に私を使って脅すのは良くないよ」
「だ、だってリンクがッ!! お前を倒したらリュア初めてを貰うって言ってたんだよ!」
「よしダーク。私を脅しに使っていいよ」
ダークの話を聞いた私は、リンクを脅すのに使っていいと許可した。流石に14歳だからね。せめて17歳くらいならいいけど……。
「く、リュア!! 俺とダーク……どっちが大切なんだ!?」
「リンクに決まってるでしょ。でも、初めてはまだあげるつもりはないから」
リンクの質問に私は即答する。すると、リンクが急に近づいて抱きついてきた。それで反射的なのか、ダークは私から離れた。
「俺の方が大切ならそれでいいや……」
リンクは私に抱き着いているから見えないだろうけど、ニコとかセネカとかナッジとかがニヤニヤして私達を見ているんだよね。恥ずかしいから離れてほしんだけど。
「リ、リンク……そろそろ離れてほしんだけど……」
「別にいいだろ」
「ほ、他の人が見てるから……」
私がそう言うと、リンクは抱きつくのをやめた。この時、安心した私が馬鹿だった。
「そんなの見せつければいいだろ?」
「んっ……」
リンクは私にキスをしてきた。さっきまで後ろにいたダークを見る。ダークは口を震わせて顔を真っ赤にして見ている。他の人もこちらを見ている。