風の歌姫(風のタクト)
□プロローグ
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「おぉ、来た来た〜〜! お帰り〜〜!」
リンクが持ってきてた盾は、やはり彼の2階に飾ってあった物だ。
「ずいぶん古びた盾だねぇ……。今でも使えるのかい? まあいいや……それじゃあ、出航するよ! いいかい?」
「ああ!」
「うん!」
僕達は海賊船に乗せてもらう。鐘の音と共に船が動き出した。
「こんなにも大きい船に乗る事が久しぶりだなぁ。タウラ島に行くときは、いつも小さな船で行ったからなぁ」
そんなこと考えていた僕は空を見る。プロロ島を見ているテトラちゃんがリンクに話し掛けた。
「ハァ……アンタはいつまで、やってんだい!」
手を振っていたリンクが動きを止めてテトラちゃんを見る。
「お?」
「アンタだけ、やっぱり行くのやめておいた方がいいんじゃないのかい? そんなんじゃあ、先が思いやられるよ。何だったら、今からでも島に戻してやろうか?」
「いや、大丈夫!」
リンクは決心をつけたようにプロロ島を見つめる。プロロ島が見えなくなると、テトラちゃんはリンクを見て口を開いた。
「リンク! お前は下にいるニコに任せてんだ! すぐに行け! リュアは私についてきて!」
いきなりテトラちゃんに名前を呼ばれてびっくりする。
「アッ、ハイ!」
驚いた僕は片言になりながらも、テトラちゃんについて行く。テトラちゃんの部屋らしき場所に来ると、振り向いて真剣な目で見られる。
テトラちゃんはこちらを見て、確かめるに聞いてきた。
「アンタ……私の親友のリュアかい?」
「そうだよ!」
やっと気づいてくれたことに嬉しくて、涙が出そうになる。
「やっと会えたね!!」
数年ぶりの再開に喜び、僕達は抱き合う。
「さっきは関係ないって言ってたけどちゃんと関係してた」
「嬉しいよ! 1番の友達いや……親友に会えて!」