short(dream)
□私の王子様【大野智】
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*
「うん、じゃあ後でね。はーい。」
「後でね」…?
「翔くん?」
「うん。」
「これから会うの?」
「うん。」
「うん」としか言わない智くんに少しイラッとする。
しかも久々の休日なのに私と過ごしてくれないの…?
「なんでそんな顔するの。俺だって遊びにくらいいくよ。もー、めんどくさいなー。」
むすっと不貞腐れた顔をしていたからか、智くんは私に対してまたいつもの「めんどくさい。」を吐き捨てた。
「もう…知らない。早く外でてってよ!!翔くんとでもイチャイチャしてろ!」
私は寝室に戻り、思い切り扉を閉めた。
*
*
「…ほんとに行っちゃった。」
二度寝してしまった私がおきた頃には、彼の姿はすでになかった。
ソファーに脱ぎ捨てられたパジャマを見て、はぁと溜息をつく。
昨日は彼の休みが楽しみで、どこか出かけるところなんて思って色々検索していたのに。
智くんにとって、私の優先順位はメンバーより下。
それはまだ分かるけど、今の智くんはからしたら…
一番優先順位は下だろう。
考えているだけで泣けてくる。
涙が止まらない。
智くん、あなたのせいだよ。
あなたのせいで私はこんなに辛いんだよ。
慰めてよ。
智くんが私を泣かせたんだよ…。