short(dream)
□向日葵畑の約束【相葉雅紀】
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私は彼の名前は知らない。
彼と過ごせる時間があれば幸せだったから。
彼もまた、私の名前を知らない。
何故彼は来なくなってしまったのだろう。
その理由が分かったのは、彼が姿を見せなくなってから3年経った時だった。
「これは…」
テレビで報道されたあるアイドルグループのデビュー会見。
5人いる中の一番身長の高い男の子。
間違いなく私の大好きな彼だ。
「あいば…まさき…」
初めて知った彼の名前。
ずっと知りたかった彼の名前。
だけど私は…あなたの名前は自分から聞きたかった。
雅紀くん…あなたはもう私の届かないところへ行ってしまったのね。
ポチが私に寄りかかる。
「ポチ…もうあの人には会えないみたい。」
ポチを抱きしめ、私は泣いた。