short(dream)
□私の王子様【大野智】
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今日は智くんの久々の休日。
朝起きたら彼が隣で寝ているなんていつぶりだろう?
スースーと寝息を立てて寝ている智くんの寝顔はとても愛おしい。
そんな彼に私はちょっかいを出したくなる。
ぷにっ
ほっぺを軽く突くと「ん…」と眉毛をへの字に曲げて寝返りを打つ。
「智くーん、朝だよー。起きてよー!」
つんつんつんつんっ
「だぁーっ、もう眠れない!!」
智くんはガバッと布団から起き上がると眉間にシワを寄せて私を見る。
「智くんせっかくの休日だよ?一緒に遊ぼうよ!!お散歩したりさ!!」
「せっかくの休日だからこそ俺はゆっくりしてたいの。」
そう言うとだるそうにリビングに向かい、ポットでお湯を沸かし始めた。
きっとココアを作るのだろう。
「ちぇっ、つまんないの…」
私には最近不安がある。
それは智くんは本当に私が好きなのか?という疑問。
例えば、バラエティ番組などでメンバーと絡む智くんはあんなに楽しそうに笑っているのに私の前では「だるい」「めんどくさい」というばっかりで全然構ってくれない。
前はよく私にも笑顔で接してくれたのに。
いくらメンバーでも嫉妬しちゃう!!
と、く、に!!!
「あ!翔ちゃんもしもし〜?うん、俺だよ。ううん特に用事ないの。翔ちゃんが何してるのか気になってさ。」
…カップルかよ。
私の宿敵「櫻井翔」
最近智くんは時間さえあれば翔くんに電話していると、この間ニノが教えてくれた。
私には仕事中ちっとも連絡くれないくせにさ!
どうやらファンの間で翔くんと智くんのコンビは「山夫婦」と呼ばれているらしい。
夫婦って何よ。
私と智くんの関係より上じゃない!
ちらっと智くんを見ると、ふにゃっと笑い、幸せそうな顔で電話をしている。
…この2人本当に出来ているんじゃないの。
この智くんの顔を見るとそう思ってしまう。