short(dream)

□俺の妹が恋をした【櫻井翔】
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「血も繋がってない…か。」


そう、俺とヤッターマンは本当は血が繋がっていない。

あいつは元々、大阪出身。

7歳の時に両親を事故でなくし、ヤッターマンの両親と親しかった俺の親父が、あいつを引き取ったのだ。

それでも、本当の妹の様に俺はヤッターマンの事を大切にしてきた。

遊んだり、一緒にお風呂に入ったり、誕生日を祝ったり…と、家族として大切な存在だ。

…だけど、血が繋がっていないからこそ、
俺はヤッターマンに、家族以上の感情を持っていたのかもしれない。

しかし、俺とヤッターマンは家族である。

兄として、妹の幸せを望むのであれば…




俺は急いで家を飛び出し、ある所へ向かった。

ヤッターマンのいる場所は分かる。

小さい頃から喧嘩した時は、ヤッターマンはいつもあの場所に行くんだ。

よく行っていた公園。

「ヤッターマン!!!」

「お兄ちゃん…」

やっぱり居た。

「こんな夜に、一人で居たら危ないだろ…」

「だって…ひっく…」

再びヤッターマンは、泣き始めた。

…俺のせいだ。

ヤッターマンを抱き寄せ、頭を撫でる。

「…ごめん、俺が悪かった。俺、相葉ちゃんに嫉妬して…本当にごめん。ヤッターマンも、知らないうちに女の子になってたんだな。」

背の低いヤッターマンは、俺の胸で小さく泣いている。

「俺、ヤッターマンの事、お兄ちゃんとして応援する。相葉ちゃんなら大丈夫。すごくいい人だから。…まぁ、バカはバカだけど。でも、人のことを大切にしてくれる人。…ヤッターマンにもまた会いたがってたよ?」

「ほんまに…?」

「ほんと!だから、また家にお兄ちゃんが呼んであげよう!」」

「うれしい!!お兄ちゃんー!」

次は、ヤッターマンが抱きしめ返してくる。

すぐ泣き止むところも、昔から変わらない。

きっと側からみたら、俺たちはカップルと勘違いされるだろう。

「ねえ、お兄ちゃんも嫉妬することあるの?」

「…ん、まぁ、大切な妹だからね!!」

ヤッターマンは「ふーん」と言うと、続けて話す。

「でもお兄ちゃんは、私、世界で1番かっこいいと思ってるんよ!昔からずーーーっと、変わらへん!…さっきは、血繋がってないとか言ってごめんなさい。血繋がってなくても、お兄ちゃんは私のただ一人の大切なお兄ちゃんやよ。」

「お兄ちゃん、大好き」


俺は、胸が熱くなった。

その言葉が聞ければ俺は満足だ。

そう、俺とヤッターマンは血が繋がっていなくても兄妹なのは変わらない。

大切で、大好きな妹。

妹のためなら、俺はどんな事でも協力するよ。

だから、どうか幸せになってね。



-end-





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