long(dream)
□〜five colors memories〜
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二宮目線
*
翔ちゃんと芽瑠を残し、他の3人と俺はリビングから離れる。
「結局話って何?」
「見てれば分かる。」
「どういう事?」
リビングへのドアを少し開け、中にいる翔ちゃんと芽瑠が見えるようにする。
2人からしたら背後にいるわけだからきっと気付かない。
何となくだけど、今日この瞬間あの2人の中で何かが変わって、発展していく気がする。
あんだけ遊園地で後押ししたからね。
芽瑠もきっとやってくれるでしょう。
「ニノ、あの2人なんかあったの?」
「ん、あぁちょっとね。」
「翔くん泣いてねーか?俺たちも行った方が…」
ドアを開けようとする松潤の腕を掴み、「黙って見てて」という。
「あ…」
相葉ちゃんの声に、リビングを見ると芽瑠が翔ちゃんを抱きしめる姿が見える。
そこに翔ちゃんも抱きしめ返す。
…うまくいったんだね。
芽瑠、よかったね。
気まずそうに、相葉ちゃんと松潤が俺のことを見るけど、俺は平然とした顔をした。
「ニノ、いいの⁈あのままだとあの2人…」
「何があっても惚れさせるんじゃなかったのかよ⁈」
そのつもりだったよ。
「うん、いいの。俺、芽瑠が笑ってればいいから。それにきっと…翔ちゃんもこれから変わっていけるんじゃないかな。俺たちが大好きなあのキラキラした翔ちゃんに。」
栞のことで止まっていた翔ちゃんの時間。
きっと今動き出したから。
相葉ちゃんと松潤は目を合わせて、俺をヘッドロックして固めた。
「ちょ、な、なに。何ですか。」
「かっけーじゃん、ニノ。」
松潤の言葉に、少し涙腺が緩んでいくような気がした。
あーあ、俺だって諦めたくなかったよ。
「ニノのくせに〜」
「うるさい、あなたには何も言われたくないです。」
「ひどい!」と相葉ちゃんは言い、それが可笑しくて笑った。
あ、そういえば…
「大野さん、俺がこのために2人きりにしてた事分かってたよね?さすがだね。」
先程、一番最初にリビングを出てくれたのはリーダーだった。
「ほえ?俺、ニノから遊園地の感想が聞けると思ってたんだけど…翔ちゃんには話すの悪いから移動したのかと…」
全く分かってませんでした。
「なんだよそれ!」
リーダーの発言に場も和む。
「みんな、ありがと。」
そっと3人にお礼を言う。
ま、リーダーはなにも知らないかもだけど。
「さーて、俺たちは寝るか。これからについてはまた明日だな。」
「うん!そだね!」
各自寝室に戻っていく。
俺は最後に向かう前に、チラッと2人のことを見た。
「頑張れ」
小さくそう呟いた。