長太郎受けメイン

□先輩たち専用性処理係
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翌朝、目が覚めると、まずいつもと景色が違うように感じた。
ベッドのカーテンが開いていたから分かったが、いつも右側に見えてた菊丸さんは、左側で眠っている。
そして、何も服を纏ってない俺は、何故か冷静な頭で、昨夜のことを思い出す。

(そうだ、俺……性処理係になったんだった)

拡げられて挿入されて、絶頂まで迎えてしまった後孔は、ズキンと痛み、更に何か違和感を覚える。

(昨日慣らしに使ったバターだ)

裸のままベッドから出て、壁際の机の上に置いてある時計を確認すると、時計の針はいつもより少し早めの時間を表示している。
幸いにもまだ誰も起きていない。
枕元に置かれていたティッシュ箱からティッシュを手に取り、ねじって折って、棒状にして後孔へそっと押し込み、中のバターを拭き取る。
ある程度吹き終えたら、それから服を着て、顔を洗いに洗面所、ついでにトイレへと寄って、また部屋へと帰ってくる。

「…………」

性処理係になったからには、もう人として扱ってもらえないのか。
そんな思いが頭をよぎった。実際、昨夜は人形のように犯されたのだが、何が辛いかって、宍戸さんに軽蔑されたことだ。
どんなに声を出しても、菊丸さんにイかされても、宍戸さんは俺のことを、気にする素振りを見せてくれなかった──。

「俺昨日気絶したのかな……」

地獄へのドアを開けると、タイミング悪く宍戸さんが立っていた。洗面所にでも行くのだろうか。
宍戸さんは俺と目が合うと、さっと逸らして、「……はよ」と小さく呟いて、部屋から出て行ってしまった。
明らかに避けられている。

(別に、なりたくて性処理係になった訳じゃない……)

歯がゆい気持ちを抑えられずに、ベッドにどすんと腰掛けた。きっと気絶して、そのままここで寝ていたんだ。
だから、普段自分が寝ているところで、菊丸さんが眠っている。
今夜もまた、欲の溜まった雄獣たちに犯されてしまうんだ。──こんなこと望んでいなかった。

(憂鬱だな……)

今日は日吉と一緒に行動させてもらおうかな。
宍戸さんとは、ギスギスして練習にもならないと、簡単に予想がつく。
早めに準備をして、日吉のいる205号室目指して、俺は部屋を飛び出た。









「はぁっ……あぁ、うぅうんっ…………」

悪夢は何度だって繰り返す。
今日も一日が終わるというところで、性処理係の仕事だと、菊丸さんと大石さんから言い寄られてしまった。
昨日お預けだった大石さんが、明らかに慣れていない手つきで俺に昂りを挿入しているのだ。
日に日に感度の増す中は、もう挿入されただけで、甘い刺激をもたらす。

「鳳えろ〜い。大石は昨日アナルを味わえてないから、いっぱいおもてなしするんだよ」

楽しそうにそう言った菊丸さんは、床に膝をついて、ベッドの上の俺の胸を舐め、時々あそこを弄ってくる。
悲しいことに、それすらも気持ちがいい。
宍戸さんは、すぐ上で静かに眠っていて、やはり何も気にしてくれない……。

「英二、そう言えばやってみたいことあるって言ってたよな……っ」
「ん?あぁ、早速やっちゃおっと」

菊丸さんは一旦立ち上がり、机まで移動し、黒の油性ペンを持ってくる。
その蓋を取り、大石さんと結合したままの俺の腹に、なんの躊躇もなく押し当てた。

「ちょっ…………」
「なぁに?」
「何を書くんですか……?」
「まぁ見てなって」

腹に、あろうことか油性のペンでどんどん文字が書かれていく。
書かれた文字は、肉、便、器……。
性処理係とは名ばかりで、ハナから人間扱いなんてされていなかった。
分かっていたはずなのに、組み敷かれて喘がされている自分がとてつもなく愚かに感じて、目から大粒の涙が溢れ出す。

「泣かないでよ〜、俺達が悪いことしてるみたいじゃんっ」
「鳳くん、慣れれば悲しくなんてなくなるよ」

俺の気持ちの何を分かって言ってるんですか……。
狂ってしまった二人には、もはや何を言っても無駄だろう。曲解されるオチが見えている。
慣らしに使われたバターの甘い香りが、この凍てつくような空間に、場違いながらもふんわりと漂う。

「鳳くんっ……、最高に気持ちいいよ……」
「大石イッちゃう?イッちゃう?」
「ああっ、イきそっ……うっ、あぁ、出る……っ」

ピュッピュッと腸壁に叩きつけられる飛沫で、中に出されたんだと、薄ぼんやりした頭で理解する。
もう限界だ、好きでもない人と身体を重ねるのは──……。
ずるりと引き抜かれたペニスのせいで、後孔の寂しそうにひくつくのが恥ずかしくて、慌てて手で隠した。

「大石の見てたら俺も勃っちゃったからさぁ、二回戦行っくよ〜!」
「ううっ…………」

安息なんて、この部屋にはない。
大石さんと場所を変わった菊丸さんは、俺を四つん這いにさせ、尻をすりすりと撫でる。

「ほんとは前に、コンビニに行った時に買ったゴム持ってるんだけど、生がいいよね、生が」

その言葉に、昨日の朝、部屋の前にコンドームが落ちていたことを思い出す。
薄々勘づいていたものの、悪びれもなく白状する菊丸さんに、苛立ちにも似た感情が湧き上がる。

「バックって支配感あって、俺は好きなんだよね〜。しかも鳳みたいにでかい男を支配してるのって、……なんか良いよね」
「……っ」
「わ、大石のせーえき垂れてきてるにゃ。中とっろとろだろうな〜、んじゃ、出発進行ー!ってね!」

先端が宛てがわれると、ペニスはズボッと一気に進入してきた。
──宍戸さん助けてください…………!
そんな思いも虚しく、菊丸さんが果てるまでに行為は続けられ、結局俺は、三度も中で絶頂を迎えてしまった。





次の日も、その次の日も変わらず、俺は二匹の雄獣に犯され、穢される日々を過ごしていた。

「ぁあっ、だめぇっ……、はぁっ、あぅあぁっ!あぁあ…………」

この頃になると、元々開発済みのアナルが毎日刺激され、少しペニスで擦られるとよがるような声を出すようになってしまっていた。
宍戸さんは相変わらず、夜になると自主練に向かうか、さっさと眠りにつくかで、俺のことなんて無関心。
どんどん宍戸さんとの距離が出来てしまうことに恐怖を抱きながらも、菊丸さんたちから貰う、劇薬にも似た愉悦に俺はのめり込んでいた。
そんなある時。

「あのさぁ、いい加減我慢すんのやめたら?」

俺を乱暴にバックから攻める菊丸さんが、動きを止めて、冷たい声音でそう吐いた。
隣のベッドに腰掛けていた大石さんの顔色をちらっと伺うと、不思議そうな顔をしている。
となれば、我慢していると言うのは──……。

「宍戸。ずっと起きて聞いてんだろ?」
「…………」
「寝てるふり?鳳が寝取られてんのに、普通黙って聞いてる?」

部屋の空気が、氷点下へと変わる。
二段ベッドの上から、ゆっくりと身体を起こす音が聞こえた。
そのままそろそろと階段を下りてきた宍戸さんは、寝起きとは思えないハッキリ開いた目に、紅潮した頬。
菊丸さんは再び動き始めるも、宍戸さんに対して話を続ける。

「大体っ、宍戸が鳳を避ける意味が分かんないしっ、二人が仲良くSEXできるように、鳳をこの部屋の性奴隷にしたのにっ、宍戸が手出さないってことは、鳳に全責任追わせてるみたいなもんだよねぇ?」
「…………」
「元々、宍戸たちのSEXが原因でこうなってんのにっ、宍戸は鳳を追い詰めるだけ……っ、もう俺たち黄金ペア専用の性処理係で良くない?」

宍戸さんはその場で俺を見たまま無言だ。
菊丸さんが前後に動く度に、震え上がるような快感に包まれる。
冷えきったこの状況で、声を出すまいと必死なのに、口から甘ったるこい声が漏れるのが抑えられない。
ふいに菊丸さんのペニスが引き抜かれ、次に何をされるのかと思えば、また挿入され、中で熱い飛沫が弾けた。

「ふー……っ、中出し完了っと。宍戸はいいの?もう誘うようなこと言ってあげないけど」
「…………俺は……」
「鳳のアナルだって、宍戸さんのちんちんが欲しいんですーって言ってるみたいだよん。早く俺に、生ハメ中出ししてくださーいってさ……」

いくつもの卑猥な言葉を発した菊丸さんは、俺の中で果てると、ペニスを引き抜き、ベッドに腰掛け宍戸さんを冷たく見上げる。
俺は身体を起こして、ただ二人のやりとりを静かに見ていた。

「それとも何?中古の鳳はいらない?いらないなら俺たちが貰うよ?」
「…………いらねぇなんて……」
「はぁ〜……、じゃあどうなの?」
「長太郎……」

突然名前を呼ばれ、ハッとして宍戸さんの顔を見ると、バチッと目が合った。

「ごめんな、俺……、逃げてた……」
「宍戸さん……」
「長太郎がいないと俺は駄目なのに、…………これ、見てくれよ」

そう言いながら、宍戸さんはズボンを下ろした。
そこには、興奮していたのか、下着を押し上げるペニスがあった。

「……寝取られてる長太郎に興奮してた。とんだ変態だ」
「…………」

宍戸さん……。
どうしてだろう、こんな時は、何か声をかけるべきなのに。
今、目の前にある宍戸さんのペニスを、しゃぶりたくて仕方がないのだ。
迷いながらもそっと下着に手をかけ、欲望のままに下着を下ろして、昂りを頬張る。
飢えた獣のようだって自分でも思う。なんだか懐かしい感覚に、下半身がずくんと疼く。

「鳳〜、宍戸のおちんちん美味しいっ?」
「おいひいですっ……」
「俺たち暇だから、片手で扱いてよ」
「分かりました」

口で宍戸さんのペニスを舐めながら、両手に菊丸さんと大石さんのペニス……。
本格的に、この211号室の性処理係になってしまった。でも、宍戸さんが加わってくれたから、俺、もう嫌じゃないです──……。

「長太郎っ、ベッドに寝てくれ」
「はい。……どうぞ」

菊丸さんと大石さんのペニスから手を離し、仰向けに寝そべったら、腕を伸ばして宍戸さんを受け入れる。
既に勃起した宍戸さんのペニスを、敏感になりすぎた中へ挿れられると、たったそれだけで、天にも昇る心地で身体が身震いする。

「ぁあぁっ…………いいっ…………」

宍戸さんがいい、宍戸さんが一番しっくりくる。
とろとろになった中は、宍戸さんを待ち構えていたように、どんどん呑み込んでいく。

「中すごいことになってんな……」
「あぁっ、はぁっ……ご、ごめんなさっ…………」
「丁度いいなっ……、ぁはっ……、長太郎……っ!」
「はぁっ、はぁ、あぁ、あっ……あぁあ……もっとぉ……」

名前を呼ばれるだけで、感度が上がってしまう。多幸感で目尻から涙が溢れてくる。
快感の海に溺れているのに、もっと、もっとと求める声が止められない。
理性はとっくに無くなっていた──。

「やっぱり宍戸相手だと、鳳くんも一段といやらしいな」
「うんにゃっ、俺たちも負けてらんないね」

ベッド脇から菊丸さんに胸を舐められ、甘い刺激にびくんと身体が跳ねる。
大石さんはペニスを顔の近くまで持ってきたので、先端に舌先をつけて舐め上げる。
同室の先輩全員に愛されて、頭がおかしくなりそうだ。
菊丸さんが先に中へ放った精液のせいで、宍戸さんが抽挿する度に、結合口から卑猥な音が立つ。

「鳳ぃ、今の気持ちはどう?」
「ううっ、ふっ……気持ちいいっ…………」

巨大な快楽の前には、平伏するしかない。
胸を舐めながら菊丸さんが俺のあそこを扱いてきたのだから、段々と絶頂が迫ってきた。
それよりも先に、優しく的確に責めてくる宍戸さんのせいで、お尻だけで射精を伴わないエクスタシーを迎え、背中がわななく。

「……中でイったな」
「は、はい……、ぅ、ぁあ、あっ、あぁあ……」

休みもなくまた抽挿が始められる。
時々敏感な先端も刺激されながら、扱かれ続けるあそこも、ゾクゾクとした感覚の後に、精を腹へぶちまけてしまった。

「今のトコロテンかにゃあ?そんなにシコってないけど」
「さぁ、なっ……。長太郎、まだまだいけるよな?」
「もっ……無理、またイッちゃうぅ…………っ!」

目の前に火花が散り、また中で絶頂を迎える。
膝がガクガクになり、自分が何を口走っているのかも分からない。

「長太郎大丈夫か?」
「無理、……ですけどっ……、ひっ、あぁ、まだ……も、もっとしてくださいぃ……」

肉と肉がぶつかり合う音が、結合口から出る音が、ペニスの先端から溢れ出す液のせいで、音を立てて再び扱かれる音が、頭の中でぐちゃぐちゃと、卑猥な演奏会を奏でる。

「ふぁっ、あぁ……んぅうっ、あぁぁっ、おしっこ出ちゃあっ、あぁ……」
「おいおい大丈夫か、……出しちまえよ」

まるで射精した時のように、透明な液体が腹を汚していく。
それが何かも理解出来なくて、迫り来る後孔での絶頂に涎を垂らして震えていた。

「すご、潮吹きじゃん……」
「俺が参加してない間に、随分といやらしい身体にされたみたいだな……」
「へへんっ、凄いだろー!性処理係には頑張ってもらわないとね」
「……そうだな。……ん?長太郎、起きてるか?おい、おーい!」

宍戸さんの俺を呼ぶ声が、朦朧とした意識の中聞こえる。
すみません、宍戸さんはまだ絶頂を迎えていないのに……。
時刻は今何時なのかは分からない。

けど、今日の性処理係のお仕事は、きちんとこなせてましたか──……?




END
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