長太郎受けメイン

□先輩たち専用性処理係
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「……な、な、何もしてないですよ…………?」
「ふうん。二人でヤってるの、バレバレだから今更隠したって意味無いのににゃ〜……」

──怖い。
いつも明るくて、ムードメーカーな菊丸さんの冷えきって威圧的な雰囲気が、得体の知れない何かを含ませていて、怖気に取り巻かれる。

「だ〜いじょうぶっ、そんな顔しないでよう。心配しなくても、誰にも言わないよん」
「……あ、ありが……」
「その代わり、今日は俺とヤってくれるよねっ?」

コロッといつもの愛らしい笑顔に戻って、とてつもなく恐ろしい事を口にしている。
俺を見下すように立っていた菊丸さんは、俺が横たわるベッドへ入ってきて、するりと手をズボンの中へ忍ばせてきた。

「えっ……!?」
「宍戸にとっても悪い話じゃないと思うんだけどな〜。ほら、男同士って認められづらいとこあるじゃん?だから、宍戸のためにも、ここで鳳が頑張らないと、……ね?」

無遠慮にも、進入してきた手は股間部を揉みしだき始める。
片手でベッドのカーテンを閉められ、薄暗い中嫌だと叫ぶこともできず、人が変わったみたく怖い菊丸さんにされるがまま流されていた。

「あの、やめてくださいっ……」
「ん〜?だって溜まってるでしょ?俺も溜まってるんだぁ……。そうだ、鳳のちんちん扱くのは宍戸がやるだろうし、俺のしゃぶってよ」

と、恥ずかしがる素振りも見せずに、菊丸さんはズボンを下着ごと下ろして、可愛く甘えた声で「どうぞ」と笑っていた。
ここで菊丸さんのをしゃぶらないと、他の人に何を言われるか分からない。
未だに真っ白な頭のまま、ベッドの上で仰向けに転がる菊丸さんの足の間に入り、ペニスを咥えた。

「うわぁ、男にされるってこんな感じなんだ」

絶対にバラされたくない一心で、宍戸さんのペニスを舐めるよりも丁寧に舐め、舌先で感じやすいであろう場所を責めたり、頑張って根元まで咥えこんだり、とにかく自分が出来る最大限の奉仕をしているつもりだ。
むくむくと口の中で体積を増していくペニスは、きっと少しでも気持ちいいと感じてくれているのだろう。
そう思うと、安堵の気持ちでいっぱいになる。

「気持ちいいよ、宍戸に仕込まれたの?」
「……多分そう、です……」
「そうだ、まだ宍戸帰ってこないね。鳳ってアナル使えるの?」

アナル使えるの……。それはすなわち、アナルを使ってSEXできるかという事だろう。
笑いを含みながら明るい声で聞くような事ではない。
このままでは、菊丸さんに挿入されてしまう事になってしまう。
宍戸さんとする時に何度もお尻は使ったから、答えはイエスだけど、宍戸さん以外の他の人とするのは避けたくて、ぶんぶんと首を横に振った。

「あー、嘘ついてる。知ってんだからねぇ、一回くらいはここでアナル使ってたでしょ」
「つ、使ってないですよ…………?」
「せっかくバラさないであげようって思ってたのに、嘘つくんだ……。アナル使わせてくれないと、みんなに言っちゃうよ?」

まずい、もう逃れられない──。
逃げ道なんて、どの道も絶たれていた。
どう言い訳しようか必死に考えている間に、最悪なことに、扉の開く音が聞こえ、全身の血の気が引いていくのが分かった。

入ってきたのは宍戸さん?それとも大石さん?どちらが来ても最悪なことには変わりはない。
すぐに菊丸さんから離れようと頭を後ろに引こうとすると、逃すまいと頭を強く押さえられた。
喉の奥にペニスがぐりっと当たり、不覚にも嘔吐してしまいそうになる。

「ぅえっ!!」
「鳳くん!大丈夫かい!?」

──大石さんだ。
カーテンの向こうで、大石さんはあたふたしているのか、影がゆらゆらと蠢いているのが見て分かる。
今すぐにでも吐き出してしまいそうな危うさから、菊丸さんの身体を何度かぺちぺちと触れてみるが、なんの反応もない。
それどころか、なんと菊丸さんは、明るい声のままで声を出したのだ。

「大石ー!鳳は大丈夫だよんっ」
「その声は英二……、そこに英二もいるのか?」
「うん、いるよ。今はちょっと取り込み中だから、ちょっと待っててね」
「あ、あぁ……」

特に深く追求はされず、そのすぐ後にイスの軋んだ音が聞こえた。
大石さんは壁際に置かれた机の前の椅子に座ったのだろう。
菊丸さんの押さえつける手がどき、口からペニスを離してごほごほと咳き込んだ。危なかった、もう少しで吐いてしまうところだった。
はー、はー、と息を繰り返していると、菊丸さんは自分の半分勃起したペニスを見つめ、にやりと口元を緩めた。

「あともうちょっとで完全に勃つな……。さ、お尻出してよ」
「で、でも……。お、大石さんが……」

小声でそう言うと、菊丸さんはわざとらしく不思議そうな顔をした後に、声を上げて笑い始めた。

「にゃははっ、いいこと思いついた。大石も混ぜちゃえばいいんじゃん」
「そんなっ…………」
「おーいしー!ちょっとこっち来てよ」
「ん、なんだ?」

ぎし、とイスの軋む音と、人の歩く足音。
菊丸さんがカーテンを開け、部屋の明るい光が、一気に薄暗いベッドの中へ差し込んでくる。
大石さんはベッドの上で、股間部を丸出しにした菊丸さんを見て、顔を引き攣らせて後ずさりをした。

「え、英二!何をやってるんだ!」
「何って、鳳にちんちんしゃぶってもらってたんだよ」
「な、な……」
「大石は知らないの?俺達が寝てる間に、鳳と宍戸は扱きあったり、しゃぶりあったり、SEXしたりしてたんだよ。有り得ないにゃー。だから、バラさない代わりに、鳳とSEXすんの」

言葉を失った大石さんは、軽蔑したような表情を浮かべたまま、急いで部屋を出ていってしまった。
今の表情は、菊丸さんだけに向けられたものではないと分かる。きっと、俺達も軽蔑されたに違いない。

「さぁて、続きしよっか。鳳、お尻出して」
「っ……、菊丸さんを受け入れれば、本当に誰にも言わないんですよね……?」
「うん。約束は守るよん」

こんな時にも使われる明るく幼い口調が、雰囲気にそぐわなくて、逆に狂気を感じてしまう。

「なーんか大石に、気持ち悪いみたいな顔で見られて興奮しちゃった。さ、ゴムも無いし生ハメだにゃあ」

と、完全に勃ったペニスを見せつけるように腰を浮かしている。
生ハメだなんて卑猥な単語を、軽々しく発言してしまう事がもう恐ろしい……。
俺は今にも泣きそうな思いで、ズボンと下着を下ろしてお尻を向け、四つん這いになった。

「脱がしてあげる。お、綺麗なお尻〜。毛もあんまり生えてなくて綺麗にゃー。やっぱり身体が大きいからちんちんも大きいね」

細かく感想を言われ、恥ずかしさで死にたい気分だ。
お尻を両側へ拡げられ、アナルが開いて見えるだろう。
抵抗するにもこの状況では逃げられないし、助けを呼ぶ方が恥ずかしい目にあうことは、考えなくても分かる事だ。
恥ずかしながら突き出したお尻をパン、パンと二回軽く叩かれ、菊丸さんは「いい音〜」なんて言って笑っている。
そうこうしているうちに、アナルに凄まじい違和感を感じて、堪えられずに呻き声を上げてしまった。

「うぅ、うっ……」

ヌメヌメとした生温い舌で、アナルを舐められている。風呂に入ったとは言え、好きでもない人の汚いそこをべろべろとよく舐めれるものだ。
舌はアナルの中までも進入して来て、生温い唾液が中へと入っていく感覚に、身体はぶるりと震えた。

「もう待てないや。早速だけど、挿れちゃうよん」

あぁ、宍戸さんごめんなさい──……。
雄の匂いを放つペニスが、ぴたりと押し当てられる。
そして、ずりゅりゅっと肉の塊が後孔の中へと挿入されてしまった。

「っ…………!」
「うわ、すっごい締め付け……、気持ちいいにゃ〜」

久しぶりの尻で受ける快感に、ぞくぞくとした刺激が身体を包み込む。
思春期真っ盛りで開発されたそこは、一度刺激に触れると、甘く激しく身体に愉悦をもたらすのだ。
相手もまた、自分と同じ思春期真っ盛りの中学生。受け身の人間の事なんてお構い無しに、ひたすら抽送を繰り返していた。

「あぁっ!…………くぅ……うっ、ぁあ…………」

思わず大きな声を出してしまった。
まだ誰も寝ていない時間だけに、これでは隣の部屋や、たまたま廊下を通りかかる人に聞かれてしまう。
耐えなければいけない。声を押し殺して、ひたすら耐えなければ、後で困るのは自分だ。
そんな俺の考えを打ち砕くように、菊丸さんはリズミカルにピストンを続ける。

「ほいっ、ほいっと。イかせてくれなきゃ終わらないからね〜」
「はぁっ……はぁ……、んん、ぅ…………っ!」

前立腺を擦られて、奥までがんがん突かれて、菊丸さんが与えてくれる快楽に、平伏してしまいそうだ。
どうにか声を漏らさないように、歯を食いしばるも、だらしないことに口が開いてくる。

(早く、早くイってください…………!)

早く終わらせないと、宍戸さんが帰ってきてしまう。
菊丸さんと結合した状態で、絶対に宍戸さんに見られたくない。
宍戸さんのことを考えるだけで、焦りで呼吸が早くなってくる。

「本当に気持ちいいっ。俺の専属オナホになってよ〜」
「あぅっ、っ……無理です……」
「ゴメンね、オナホなんて物扱いして。俺の性処理係になって欲しいにゃ。先輩命令だよんっ」

そうじゃないでしょう、嫌です、と言い返す力も無く、四つん這い状態を保つことも苦しく、いつの間にか菊丸さんへ尻を突き出すような形になっていた。
昨日宍戸さんと抜きあって射精したとは言え、正直な身体は、順調にエクスタシーへ向かっている。
現に今、ペニスの先端から汁がダラダラと嬉しそうに零れているからだ。

「あはっ、あははっ……、気持ちいい?」
「ふっ……ぅ、うぅう、んっ、んう…………」

(駄目だ、もう限界っ…………!)

今すぐ腰の動きを止めて欲しい。
激しく抽送を繰り返され、中を掻き回されると、このままでは絶頂に達してしまう。
だが、抵抗をする余地もなく、目の前に火花が散り、身体がびくんと跳ねる。

(嫌、あぁ、ああぁあ────…………っ!)

タオルも何も敷いていないベッドシーツに、ぽたぽたと精液が落ちていく。
それを見逃さなかった菊丸さんは、一際高い声で笑い、いやらしい手つきで俺の背中を撫でる。

「にゃははっ……!何、俺のおちんちんが気持ちよすぎて、トコロテンしちゃったの?宍戸のやつ、どんだけ仕込んでるんだよ〜、俺もうビックリ」
「はぁ……、はぁ……」
「でもまだ俺イってないから続けるよ?宍戸が帰ってこなきゃいいね」

怖い……。
天真爛漫で、明るい菊丸さんが、俺のことをガツガツと犯しているなんて。
それだけで十分恐怖しているというのに、宍戸さんが帰って来るかもしれないという恐怖との二枚合わせだ。
絶頂しても尚、尻を突き出したままの俺に、菊丸さんはピストン運動を再開する。

「男同士ってこんなにいいんだね、ハマっちゃいそう……っ」
「うぁあ、ぁ、あ、はぁあっ…………」

ガチャ

(──え?)

一瞬で全身の血の気が引いていった。
なんの前触れもなく、ドアが、開いていく。
入室してくるのは、今度こそ宍戸さんかもしれない。

(見つかってしまう!!)

菊丸さんの方を振り返り、必死に目で離れてくださいと訴えたが、何を考えているのか、腰の動きはより一層早くなった。

「くっ…………ふぅ…………っ」

声を抑えることもできなくて、しまったと口元を覆ったのも虚しく、すぐ近くで荒々しく扉を閉める音が聞こえた。
菊丸さんが大石さんと会話した際に開けたカーテンのせいで、見つかるまでほんの一瞬だった。

「ちょ、長太郎……」

あぁ、前を見ることが出来ない。
酷く狼狽した宍戸さんの声が聞こえ、幻滅しているであろう顔を確かめる勇気がない。
暫く黙って俯いていると、菊丸さんは俺の尻たぶを叩きながら、くすくすと笑い始める。

「おかえり宍戸」
「な、んで……、お前ら……」
「そんな顔しないでよ〜。宍戸と鳳が夜にやらしいことしてるじゃん?それをバラさない代わりに、俺とヤるって交換条件作ったげたんだ」
「な、何言って…………」
「それで、宍戸にも条件つけとかないと不公平だよね。絶対にバラされたくないなら、鳳を俺の性処理係として貸してよ」

菊丸さんには悪魔が乗り移ってるんだ──……。
俺と結合したまま、菊丸さんは宍戸さんへ訳の分からない交渉を持ちかけている。
恐る恐る、俺は宍戸さんの方へ目線をやると、眉間に皺を寄せて、苛立っているのが分かった。

「長太郎から離れろよ」
「鳳にイかせてもらえなきゃ、離れられないにゃ」
「ふざけたこと言ってんじゃねぇ……、っこの、離れろ!」

宍戸さんの怒号が飛んだ刹那、宍戸さんによって腕を引っ張られたのか、菊丸さんは俺の中から渋々ペニスを引き抜いた。
怒りで顔を歪ませた宍戸さんは、苛立ちを含んだ声で、「おい菊丸」と呟いた。

「俺が夜に長太郎とヤってたのは事実だから、今更言い訳も出来ねぇ。だけど、後輩の長太郎を脅して、変な交渉してんじゃねぇよ」
「脅してなんかないんだけどなぁ、はぁ残念っ。鳳の中は本当に気持ちよかったなぁ。いいなぁ〜、宍戸はいつでも鳳のアナル堪能できるんでしょ?ちょっとくらい貸してくれてもいいじゃんよ」
「駄目だ」
「ふ〜〜ん……」

さも面白くない、と言いたげな菊丸さんは、勃起したペニスのままズボンを履いて、そそくさと部屋から出ていってしまった。
部屋に取り残されたのは、苛立つ宍戸さんと、ベッドの上で下半身丸出しの俺。
俺はいそいそとズボンと下着を履き直し、宍戸さんの顔色を伺う。

「長太郎、大丈夫か」

俺からの視線に気づいたのか、宍戸さんは眉間に皺を寄せたまま、俺の隣に座って肩を抱いてくれる。

「はい、大丈夫です……」
「クソっ、俺がいない時になんて野郎だ……。長太郎、この部屋であいつと二人になるな、分かったな?」
「分かりました。宍戸さん……ごめんなさい」
「お前は悪くねぇよ。俺こそごめんな、明日からずっと一緒にいよう」

宍戸さんの優しさが心に染みていく。
愛されているんだって、あんな事があったのに幸福感に満ち溢れていく。
太陽のように温かい宍戸さんに肩を抱かれたまま、俺たちはお互いを慰めるように口づけを交わした──。
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