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□愛してるゲーム
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「第1回!水溜りボンド、相方の気持ちを確かめ合う愛してるゲーム開催〜!スコールcallのモノンノと」
「モジヤンです」
手持ちカメラにタイトルコールをし、定位置に座るおふたりを映した。
「いやいやいや待てや。それ、知ってるけど普通男女でやるもんじゃん」
「よく考えつくよね」
呆れたようにトミーが笑い、カンタが顎をなでる。
「おふたりの視聴者さんが喜びそうな、というかぶっちゃけ私達が見てみたい企画を絞り出してきたんですから是非やってください!」
ローテーブルに固定されているカメラの横に私たちのカメラを並べる。

「あ、でも愛してるなんて言わなくていいよ。’相方の気持ちを確かめ合う’のが趣旨なんだから褒め合ってほしいですな!」
「褒め合う?」
「はい〜。おふたりの動画を拝見するとサラリと相手のいい所を言っているのでそれを意識的に行ってくれればいいです」
「えー……」
釈然としなさそうな彼らに、私の正面にモジヤンを座らせて見本を見せる。
延々と続きそうなやり取りにカンタが突っ込み、ルールを再確認した。
「え、で、なんだっけ。照れたら負けで、照れなかったらもう1回って言うんだっけ?」
「そうそう!」
「なんでそんなに嬉しそうなんだよ」
「だって絶対面白い図撮れるじゃないですか!」
「そろそろ始めよう。向かい合って、ふたりとも。」
「……」
「ぶっくく……」
小さく吹き出してしまいモジヤンに窘められる。
咳払いをしてカンタから切り出した。
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