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□一瞬でわかるヤバイやつやんこれ!!
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*途中からオチが行方不明になりました
*なんだこれ


薄暗い部屋にコール音が響いた。
こういうのには慣れているはずだが柄でもなく寒気を感じてカンタに気づかれないようにこっそり辺りを見回してみる。いつもの撮影風景と何ら変わらない部屋だ。幽霊が見えるとか、ポルターガイスト現象も起こっていない。
それなのに、この胸騒ぎのような感覚はなんなのか。
「出ねーなー……」
続くコール音に痺れを切らしたカンタが顔を上げた。
切断ボタンに指を伸ばした時、唐突にコール音が途切れる。
「もしもし」
俺が呼びかけると、相手は小さく笑いを漏らした。
「ふふ」
「あの、」
「ふふふふふふ」
次の瞬間、爆発的に笑い声が高まった。
「あはははははは!!!」
スピーカーで最大音量にしていたためあまりの音のでかさにカンタが小さく悲鳴をあげて飛びすさり、さすがの俺も肩をびくつかせる。
最後に不快なノイズ音が走り、通話は強制的に終了された。
断絶音が数回続きホーム画面に戻るのを呆然と見つめ、次いでカンタに目をやる。
決していいとは言えない顔色でこちらを見やり、「なんだよ、今の」と呟いた。
「わかんねー。」
「これは流石に使えないよね。」
「ガチすぎるかんな」
「……、はい!では次の番号にかけてみましょう!」
場の雰囲気を切り替えるように手を鳴らして元気よく切り出すカンタに合わせる。
その後のかけてはいけない電話番号では、特にこれと言ったことは起こらなかった。
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