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□Let’sコラボ!
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夏の定番心霊企画。
街灯もない真っ暗な林道を眺め、ふたりは恐る恐るあたりを照らしながら呟いた。
「怖……」
「全然先見えないね」
Let’sコラボ!
「「はいどーもー」」
かんたとトミーの声が重なる。
「ね、まあ毎日動画頑張って行きましょうということでね」
「ハイ頑張っていきましょう。一応ライトを持ってきて照らしておりますね」
ああ、うん。ここからでもわかるほどに光ってるよめっちゃ虫よってきてんじゃん。
ずっとスタンバってましたって早く飛び出していきたいんだけどまだ駄目だよねダメだな。我慢我慢。
いわくつきのこの場所の説明をしていたカンタがいきなり振り返る。
「この後ろ…?」
「うわ!なんか振り返ったよ!」
「大丈夫。気づかれてはいないから」
「どこにも行かないでね!そばにいてよ!」
「……静かにね」
「うう…」
隠れているところで座りなおそうとしたら枝があったらしく音を立ててしまった。
<バキッ>
「ひっ!」
「今バキッて落としたね」
「で、人通り全くないし。」
「いやある分けねえだろ」
「ふっ」
「まあ…」
トミーの声がさらに低くなった気がする。
「霊の通り道かも」
「やめろよ!」
「(全力でやめて!!)」
心の中で叫びさらにモジヤンにしがみつく。
トミーらと合流できるのはまだ後になりそうだった。