青空
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初療室に戻るとヘリで運ばれてきたであろう男性が暴れていた。
重体なのになぜ暴れられるのか、ちらりと見るとはだけた服からブラジャーが見えてしまった。
……なるほど、そういうことか。
藍「……!?」
森「どうした。知り合い?」
その声に弾かれて頭をあげると、藍沢くんが西口さんを見て呆然としていた。
藍「……夕べ遅く、救急外来で来たお婆ちゃんです」
三「昨日来た?」
黒「お前が診たのか?」
藍「……はい。」
どうやら診たのは藍沢くんだったようだ。
彼が患者を蔑ろにするとしたら、恐らく同時刻に行われていたオペが観たかった。と言ったところか。
黒「診て……家に帰した?」
藍「……はい」
「……」
黒「佐伯……ビンゴだったな」
ICUで西口八重を診察する西条医師、それを眺める黒田医師と藍沢くんと私。
彼女の容態は芳しくなかった。
西「もういいか? 救命の尻拭いは。……借りは返せよ」
西条医師はそう言い立ち去った。
そして、黒田医師は藍沢くんに向き合い、こう言った。
黒「よく見ておけ。お前が殺しかけた………いや、殺すかもしれん患者だ。
無線。明日は緋山に乗ってもらう。
本来なら佐伯に乗ってもらいたいところだが西口さんの様子を見ていてもらいたい」
「わかりました」
藍「……」
藍沢くんが持っていたヘリ用の無線機を奪い、黒田医師は緋山さんに渡した。
藍「お前はカルテ整理と他の連中のフォローに回れ」