青空

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「患者情報を送ります____」

青空のもと、今日もヘリは患者を運ぶ。
薬物でラリった男性が55階から転落。しかし、奇跡的に意識がある。
その頃藤川は急性虫垂炎の手術を受けた雪村南にストーカーの相談、緋山は外来で来た若杉を、白石は転落で運ばれてきた女性の診察、藍沢が森本医師のもと受け入れ準備を行っていた。





処置後、シニアドクター達からフェローだけでの当直を言い渡される。
白石さんと藤川くんだけど……実質、白石さんだけだな。あのラリった男の子の経過も気になるし今日は残るか。
少しゆっくりご飯食べれるかなと思ってランチBセットを注文し、席に着こうとした時に呼び出しが鳴った。

藤「居たの?!」

……全く気付かなかった。なんかムカつく。

「……代わりに行ってくれる?」

私のランチBセットを藤川の前にガンッと置いて走った。

呼び出したのは55階から転落した小倉さん。

小「だから部屋変えろって!
あのババァの喚き声で寝られねーんだよ!」

「ここは救命です。うめき声ぐらいします」

小「あ!?
下っ端じゃ話になんねー。上呼べ、上!
……それか、ねーちゃんが身体で何とかしてくれる?」

……正直、面倒臭い。
そこに森本医師と藍沢くんが来た。

森「すみません。どうしました?」

小「お、いいとこに来た」

私は2人に目で助けを求めた。
するとそれを汲み取ったのか森本医師は「佐伯、ドレインチェックしたか? まだなら行っておいで」と言ってくださった。
心の中で感謝しながら、本山さんに声を掛けた。

「すみません、うるさくて」

本「いいえ……」

ふと視線を下げると、彼女の手のひらに爪を強く握ったような跡が幾つもあった。

「これ、掌……どうかされましたか?」

本「いえ、別に何でも……」

「何処か痛みがありますか?」

本「……」

何か、見落としてる……?
こんなに傷かつくのは、相当痛みに耐えてるはず。そして、妄言……もしかして。
顔を上げるとどうやら藍沢くんも同じことを考えていたようだ。
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