どりーむ

□story2
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花咲く都・クロッカス

名前の通りあちこちに花が咲いていてとても綺麗…

なのだが。

滅悪魔導士であり滅竜魔導士でもある私の鼻に花の匂いはキツかった…!!

いやいやいや別にそんな、ギャグじゃないよ??



「うぅ…鼻いてぇ…」


「だーかーら!!俺はドラゴンを倒したんだって!!」


花の臭いに顔を顰めて街を散策している時だった。
裏路地の方から子どもの声がした。

それだけなら気にもとめなかっただろうが、ドラゴンと言う単語が聞こえたから話は別だ。

物陰に隠れて話を伺う




「うっそだー。ドラゴンなんて見た事ねぇもん」


「俺の親はドラゴンなんだ!!」


「誰が信じるか、嘘つきスティング!!」


「嘘じゃねぇって…言ってんだろ!!!!」


その直後、ドカッ鈍い音が聞こえたと思ったら子どもの泣く声と走るリズムで足音がした。
あーらま


「スティングくん…。」

「…レクター。俺はぜってぇ強くなる。そんで証明してみせるんだ。」

「はい!!」

「何を証明するんだ??」

「そりゃ、俺がドラゴンを倒したんだってことを……ってうわあ?!」

「誰ですか?!」

「あははっそんなに驚くなよ。面白そうな話してたからさあ。ちょっと盗み聞きしちった。」


てへっ

なんて言ってみたら男の子はドン引きで一緒にいた猫もドン引いた顔をしてた。なんだよこのやろ。



「私はジゼル。滅竜魔導士だ。さっきの話からすると君もだろ??スティングくん??」

「滅竜魔導士…!!そ、そうだ!そんでもってバイスロギアは俺が倒したんだ!!」


「君の親はバイスロギアってゆーんだね。そっか…自分の手で…。」


「は…??わ、笑わないのかよ??」


「なんで笑うんだよ」


「だって…誰も俺の言うことなんか信じねぇ…。」


「本当か嘘かなんて当事者にしか分からんからなあ。」


「…っ!!」


えっ、待ってスティングくん泣きそうなんだけど。
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