どりーむ
□story1
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ヒロンテーネが私の元から消えてから七年
結局ヒロンテーネが見つかることは無かった。
でも私は諦めない
絶対見つけ出して……一発ぶん殴ってやる!!
今日も今日とてヒロンテーネの目撃情報は無いかととある街に行ってみたものの収穫はゼロ
歩いてマグノリアに帰る途中森を通っていると周りの木々がざわつき動物達も逃げ出し、と思ったら植物は枯れ生き物はバタバタと倒れていった。
一体何が…
考える暇もなく一人の男が歩いてきた。
この感じ…
「悪魔……??」
「…少し、違うよ」
その声はとても穏やかで。でも周りの異常事態を引き起こしたのは間違いなくこの男で。
何が何だか分からない
「僕は悪魔の親…のようなものかな」
「親…」
「そう。君にとってのヒロンテーネのような存在かもしれないね。」
「っ?!ヒロンテーネを知ってるのか?!」
「もう長らく姿を見ていないけれど…」
「あんた…誰??」
「僕はゼレフ」
ゼレフ
それはヒロンテーネから聞いたことがあった
ヤバイやつだからもし出会ったらすぐに逃げろと
でもヒロンテーネの情報を持ってそうな唯一のヒトだ
逃げられない。
「ヒロンテーネの居場所を知ってるのか??」
「知っている…でも教えることは出来ない。」
「なぜ?!」
「……ごめんね。」
「っ!!」
悔しい。やっと見つけた手がかりなのに…!!
やっとヒロンテーネにガツンと言えると思ったのに!!
「………あんたについていったらヒロンテーネに会えるのかな…」
小さく呟いた言葉、
それは自分自身で確かめるような、男…ゼレフに問いかけるようなどちらとも言えずどちらとも言える言葉だった。