ゆのかほ

□おもちゃのちゃちゃちゃ
2ページ/4ページ




「先輩にとって私っていつまでおもちゃなんでしょう」




つい、ぽろっと、聞いてしまった。




しばらくぶりの、2人でゆっくり過ごせる休日に。




しかも、いい感じのムードになりかけた時に。




柚木先輩の顔を恐る恐る見上げると、みるみる険しい表情になっていく。




これは、まずい。








「変なこと聞いて、ごめんなさい。

……私、今日はそろそろ帰りますね。」





カバンと上着を手に取り、帰ろうとした瞬間。





「お前、本当におもちゃだと思ってんの?」





どこか寂しそうな顔をしている先輩に問いかけられ、答えが見つからない。




私が目を泳がせていると、先輩はベットに入り、私にも来るよう指し示した。




カバンと上着を壁際に置き直し、ベットの横に立ち躊躇っていると、優しい声が聞こえた。






「おいで、香穂子」





ベットに入ると


ふんわりとお日様の香りがする布団と


ふんわりと先輩の匂いがする先輩に


包まれた
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ