ゆのかほ
□おもちゃの向こう側
1ページ/4ページ
「先輩にとって私っていつまでおもちゃなんでしょう」
ハッとした
香穂子には
普段から言葉より行動で示しているつもりだったからか
安心しきっていた
香穂子なら全て分かってるだろうと
勝手に思っていた
けどそんなものは俺の勝手な思い込みでしかなかった
無性に自分に腹が立つと同時に
情けなくなった
普通の恋人同士のように
やれ愛してるだ
やれずっと一緒だと
簡単に言えない自分が
香穂子にそんなことを言わせた自分が
情けない
今まで幾度と身体を重ねてきたが
抱かれる度に香穂子はそんなことを思っていたのか
自分を“ただのおもちゃ”だと