ゆのかほ
□Second love
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楽しい時間とは残酷にもあっという間なもので。
コンクールメンバー全員にお礼やお喋りをしているともう閉園時間が近づいていた。
「今日は皆本当にありがとう。
俺はもう登校日は特に無いから、次は卒業式で会おう。」
梓馬さんが最後に挨拶して皆解散して行った。
「……さて、俺達もそろそろ行くか。」
「うん。もうこんな時間だもんね。」
今日は朝からずっと一緒にいたからか、離れるのが少し寂しいけど。
それでも今までとは違うのは、左手の薬指に婚約指輪があること。
確かな約束があること。
だから、寂しいけど怖くない。
大丈夫。
「おい、さっきから一人で百面相してるが、誰がお前を家に帰すと言った?」
「………へ?」
「ふっ、すごい間抜けな顔してるぞ。」
「え、え、だって、家に帰るんじゃないんですか?」
「……お前、鈍すぎだろ。」
梓馬さんはそのまま近づいて来て、耳元に口を寄せる。
「今晩は離さないぜ?」