長編夢

□#8 筆
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#8 筆


「俺のこと、お父さんと呼んでくれ」

「嫌です」

、、、。

「おr」

「お断りします」

「、、、」

「、、、」

「まだ何も言っていないのだが」


真顔で向き合う牛と小鳥。
そこへ川が流れ込み、互いを及ぼす。

「ストオオオオオッッップ!!!」

勢いよくチョップで二人の間に割って入る及川。
その余りの迫力に仰け反る。

「はいっ!そこまで!ここから先は有料だよ牛若チャン」
有無を言わせず、
ゆめの背中を押して立ち去ろうとする及川。

「おい」
すかさず口を開く牛若。

だが、

「んべーっだ!」

「?!」

「牛若チャンには渡さないよーっだ」

舌を出してみせる及川。

「お前、そんなキャラだったか?」

「ハッ、余計なお世話だよ。
それに牛若チャンにだけは言われたくないっ」

「?」

「フン、行くよレン」

「お、おぅ」

、、、。

「レンっ!!」

大声で呼び止める牛若。
ビクっとして恐る恐る振り向くと

「また、会おう」

真っ直ぐ、真剣に、
だけど今度は少し優しげな笑みを向ける。

「「??!!」」

う、牛若チャンが笑ったっ???!!

唖然とする二人に背を向け、
牛若はそのまま立ち去っていった。


「ふー」
一気に力が抜けた。

「ゆめ」

「うう」

見上げるとやはり不機嫌な及川。

「わかってるよね」

「はい」

「今回は相手がよかったけど」

「はい」

「バレたら出来なくなるんだからね」

「はい」

、、、、。

「ふうー」

「?」

「ホントにわかってんのかなぁ」

「わ、わかってるよ!!」


そういえば、
と口を開くゆめ。

「レンって」

わたしの兄の名前。

「なんで」

「え?」

ぽかんとする及川。

「何となくだけど」

なんで
と逆に聞き返す及川。

「いやっ、、別に、、」

パッと目をそらせる。
その行動に違和感を感じ、

口を開いたそのとき、


ーーピンポンパンポーンっ


「「!?」」


『これより、選抜合宿を開始致します。
参加者の方は、第1体育館にお集まり下さい。
繰り返しますーー』
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