百花繚乱
□新生abyss
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『みんな、今日も盛り上がろうな。』
静かな曲調だがかっこいい音楽。
観客と私達が一つになる感覚。
どれも私は好きだ。
私はabyssのリーダーをやっている、皆木澪。
他にも、百瀬聖や神月統、氷雨雫が所属している。
クール×アイドルという異色の組み合わせのグループ。
最初はどうなるかと思ったが、デビューして1ヶ月。
ありがたい事に人気急上昇中だ。
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ライブは無事大成功。
スタッフさんに貰ったタオルで汗を拭きながら控え室へと戻る。
『お疲れ、みんな。ライブも終わった事だし、弾けちゃおっか!』
控え室に入り、下ろしていた髪の毛を2つ縛りにする。
さっきのライブとは違い、笑顔で元気な私は皆木澪こと皆木音羽。
アイドルの時はクールを演じているのだ。
?「お疲れ様。弾けるんなら、どっか飲みに行こっか。」
髪の毛の編み込みを解いて、猫耳付きフードの真っ黒な上着を着て言うこの人は、副リーダーの百瀬聖。
『いいねー!よし、そうと決まればゴー!』
?「まだ、明日のライブのミーティングがあるだろう?」
少し口調に特徴があるグループの最年少、氷雨雫。
『あ、忘れてた。』
?「てへぺろ、じゃないですよ、皆木さん。」
控え室に戻ってすぐに眼鏡をかけて、今、カチャっと上に押し上げながら言ったのは真面目ちゃんの神月統。
『ごめんごめん!じゃあ、ミーティングやっちゃおっか!』
私達は怖そうだと思われていて、スタッフさん達はよりつこうとしないし、私達も面倒くさいので来ないよう指示している。
スタッフさんの前でも、あのクールな皆木澪でいるからね。
マネージャーも使ってないから、スケジュール合わせはだいたい統ちゃんがやっている。
だから、今日もこのミーティングが終わったら、5人で暗い道を歩いてシェアハウスに帰る。
まぁ、変質者に捕まっても、柔道とか合気道習ってる人がいるし、安全だよ。
そして、ミーティングは15分くらいで終わった。