アイドリッシュセブン

□幸せの歌を歌いましょう
1ページ/1ページ



アイドリッシュセブンの冠番組は毎週毎週メンバーが変わる。7人中1人の時もあれば2人、3人、はたまた7人全員で出演する時もある。

その中で最も出演率が高いのは和泉三月。逆に最も低いのが、二階堂大和であった。

三月は冠番組の司会進行役ともありほぼ毎週出演していた。

大和は若手実力俳優としても有名だからなのかドラマ撮影という事で番組中盤からの参加や出演しないことも多い。

その中でもピタゴラスのファンを唸らせる出来事が起きたのは二月も中盤の放送回であった



二階堂大和の誕生日月という事もあり二月の最初の放送はメンバー全員で出演した

2回目の放送は大和自身がドラマ撮影が長引いているため番組終盤の五分程の出演であった

3回目。これがファンを唸らせた放送回である

この回はファンから送られて来た手紙の内容を実演するという特別企画が練りこまれており誕生日月の大和が一枚の手紙を引いた


「んーと?東京都あーちゃんさんからだな。二階堂さんを抜いたメンバー全員でじゃんけんをして勝ち残った人2人が一曲づつ大和さんと歌を歌ってください。曲は恋のかけらとピタゴラスファイターでお願いします!…なにこれ?!罰ゲームじゃね?MEZZOの2人と陸とは当たりたくねぇなぁ。歌唱力ハンパないからお兄さんの音痴がバレちゃう」

あーちゃんさんお手紙ありがとうなー。カメラに向かって手を振ると、陸と環が大和に突撃のように引っ付く

「えー!俺ヤマさんと歌いたい!!」

「俺も歌いたいです!環よく寮で一緒に歌ってるからいいだろ!!」

「ちょっと、2人ともお兄さん潰れちゃうから」

2人にぎゅうぎゅうに抱き締められずれた眼鏡を直しながら大和が離れろと2人を引き離す

「まあまぁ。じゃんけんだから。んじゃ。いっくぞー。最初はグーじゃんけんぽんっ!」

三月が手を出し声をかける。つられて大和を除いた5人のメンバーも一斉に手を出した

「あはは。見事に別れたな」

それぞれカメラの前で作った手は


グーが三月、ナギ、環、荘五

チョキが一織と陸だった。

「じゃあグー組はも一回。じゃんけんな」

「いくよー。最初はーグーじゃんけんぽんっ」

次は環が声をかけ手を出す

「お。決まったな」

パーが三月と荘五

グーがナギと環である。

「みっきーずるいーいつもヤマさんとユニットで歌ってるからいいじゃん〜俺もヤマさんとピタゴラス歌いたいー!!」

「寮に帰ったら一緒に歌ってもらおうよ。ね?」

決まった勝負にずるいずるいと喚く環を宥めるように荘五が声をかける

「おーおー。帰ったら歌おうなー」

「じゃあ、俺と大和さんがピタゴラス歌っても面白くないから恋のかけら歌おう。んで荘五がピタゴラスな!」

え、僕歌詞大丈夫かな…と心配をする荘五をよそに番組ADが歌詞カードとイヤホンにピタゴラスを流す

「あ。俺は大丈夫!覚えてるから!」

マジマジと歌詞カードと音楽を聴いてる荘五と覚えてるからと全てを断った三月。そして一度音楽を聴き歌詞カードに目を通しただけの大和。

その3人がセットの中央へと向かう

「じゃあ最初はピタゴラスから行くか!」

即興で簡単な振り付けを荘五に教えた大和が中央へと立つ。

「荘五行くぞ。ラストの西へ東へピタゴラスエンターテイメント・デリバリーから最後までな」

それまで掛かっていたBGMがプッツンと切れるとピタゴラスのリズムいい音楽が流れ始めた

MEZZOとは真逆の曲に最初はオドオドしてた荘五も次第に楽しそうにリズムに合わせ即興の振り付けを踊り楽しそうに歌っていた。

「「西へ東へピタゴラス」」

最後の1小節を歌い切るとゆっくりと音が消えて行く

「そーちゃんどうだった??」

「すっごく楽しかったよ!MEZZOだと盛り上げる系の曲はやったことなかったからなんか新鮮だった!」

テンションが上がったままなのか嬉しそうに話しながら自分の席へと戻って行く

「荘五お疲れ。大和さんもお疲れ。でも今からガチガチのバラード歌うんだかんなー」

「お兄さんバラード苦手なのよ…あんな甘い声出ない」

まぁ。出ないなら出ないなりに楽しもうぜ。

そう笑い脊中を叩く三月と共に再びセットの中央へと立つ

すると今度は三月が大和に即興の振り付けを教えていた

「歌うとこは例えばきっと、からラストまでな!」

はいはい。と返事をする大和に三月は脊中を向け少し距離を取るように離れた

大和も同じように背中を向け距離を取り立つ

この曲の歌手であるMEZZOも知らない振り付けである。

曲が始まるとその歌詞に合わせ踊り始めて行く2人。

『例えばきっとどんなに My Voice』少し離れて背中合わせで立っていた2人が向かい合わせになるように振り返る

『枯らしても伝えきれないだろう』ゆっくりを歩を進め距離を詰めて行く

『ためらえばもう届かないよ』大和と三月が手を繋ぎそうだがためらうように少し離れ互いに脊中を向けた

『出会いは Fortune 手を取り With You』そのフレーズを歌えば2人して振り返り今度こそ伸ばした手を握る

見つめ合ったまま『思い出を塗りかえよう Our life』

カメラに向いた方の手を離し2人して上へとゆっくりとあげながら『まっすぐに想い…育てて』

そして2人とも手を離し胸の前で小さな円を作りながら『零れた Loving 小さな Fragment』

再び向き合い互いに手を伸ばす『変わり始めた季節の中で この気持ちずっと譲れないよ』

伸ばした手で相手を指差した『キミとの Moment 彩る Flavor』

『今日のすべてが恋のかけらさ』そこで再び2人の手が触れ合った

『口付けてしまおう…2人で』歌詞の通り2人の唇が触れそうになった瞬間くるりとカメラの方を向きダブルピースで笑った

普通ならそこで音源が止まるのだかなぜか一向に止まらない。

「ずっ、りぃ!!!みっきーずるい!!俺もヤマさんとそれやる!!」

見惚れていたメンバーを始めスタッフを現実に呼び戻したのは環だった。

ずるいずるいと口にしながら三月と大和の間に入ってくる。

「つーか。なんで歌い終わったのに曲流れてたんだ?」

「見惚れてたんですよ。つい。2時間ものの純愛ドラマ見てるみたいでした」

不思議そうに首をかしげる三月にこほんっと咳払いが聞こえ一織がそう言った

「wonderful!ヤマトbeautifulデシタ!!」

そんな男に対して嬉しくもなんともない褒め言葉を大声で叫びながら飛び込んでくるのはナギ。飛び込んできたナギに押しつぶされるように大和と大和に引っ付いてた環が下敷きになる

「お、おう…ありがとな、けど、重いから早くどいてくれ、」

すでに収集が付かなくなってきてしまったのか、ディレクターから三月にカンペで閉めてと指示が出される

「えっと。こんな終わりになっちゃったけど今週も楽しんでもらえたかな??来月も誕生日月特別企画あるから手紙もじゃんじゃん送ってな!それじゃぁ!また来週!」

カメラに向かって手を振る三月に続くように隣に居る陸が手を振り倒れてる大和、環、ナギも手を振る

カメラが動くと同時に笑っていた荘五と一織が頭を軽く下げた

カメラの赤いランプが消えるとみんなしてふぅと息を吐く

「いやー。今週も楽しかったよ。それにしても相変わらずすごい演技力だね二階堂くん。」

相変わらず楽しそうに笑って居るディレクターに押し倒されたまま、ありがとうございますとお礼を言う

「次の収録も楽しみにしてるよ」

そう言ってスタジオをスタスタと出て言ってしまった

「ほらナギ、タマいい加減どけって。本当にお兄さん潰れちゃうから」

「いやだ。帰ったら俺ともさっきの恋のかけらやってくれるって約束するならどく!」

「ヤマト!ワタシともやって欲しいデス!!」

「俺も大和さんとやりたい!!」

終いには陸までのしかかりもう大和にはOKを出す選択肢しかなかった。

その後この映像は全くのノーカットで放送され大きな反響を呼んだ

【ヤバイ!リアルミツヤマきた!】
【普段悪そうな役ばっかやってるのにたまにのこのギャップ最高!】
【ノリノリのそーちゃん可愛い!!】

この反響の大きさからこの企画が月1から毎週企画に変わることを7人はこの時点でまだ知ることはなかった。。



[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ