アイドリッシュセブン
□甘く掠れた愛してる
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「甘く掠れた愛してる」
2時間もののロケ撮影が終わり宿泊先のホテルのベッドへ倒れ込む
「ちょ!大和さんっベットに飛び込むなよ!」
あーもー!と奇声を上げながら靴を脱がしてくれる三月をボーッと見ながらもぞもぞと着ていた上着を脱ぐ
こっちの地方の有名な酒を飲み美味いツマミも食べいい気分の波に揺られながら甲斐甲斐しく世話を焼く男に手を伸ばす
「ミツ、あつい、ふく、脱げない、脱がして」
何も考えてない、と言うより考えれない、ただただ優しく揺れる波の中目の前の恋人に触れれないことが嫌で嫌でしょうがなかった。
「ね、ミツ、暑い、」
コクリと目の前の男の喉仏が上下に揺れる
「大和さん。誘ってるようにしか見えねぇんだけど…」
「うん。誘ってる。」
「泣かす。絶対泣かすからな」
変な顔になってなかっただろうか。そんなことを思う暇もなく噛みつくようなキスを落とされた
喉から自分の声じゃないような高い声が漏れる
酸欠で目の前がチカチカしてきた頃やっと目の前の男が離れた
「は、エロい顔」
頬に伸ばされた手は自分より幾分も暖かく、酒の力も働きどんどん瞼が落ちていく。
ちゃんと夢の中に落ちるまで触っていて欲しくて離れそうになる手を掴み頬に触れさせれば手の男はピクリと震える
久しぶりに気持ちよく寝れそうだ。
そんなことを思いながらゆっくりと夢の中へ歩を進める
手の男は何か言っていたようだがもうすでに聞こえないし聞くつもりもない。ただ、一言だけ小さく呟き完全に夢の中へと歩いて行った
「……今この状況でそんなこと言うか普通…」
半分寝ているせいか甘く掠れた声で小さく呟いた『愛してる』その破壊力は三月しか知らない