あなたと飛雄の五十音。


□い
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外周中にその姿を見つけた。




影山くん……




男バレも外周の最中らしい



しっかりとした主将さんが今日も声を張り上げている



「今日はお前に勝ぁぁぁつ!!!」

「望むところだ日向ボゲ!!!!!」



…相変わらず相棒の日向とはりあっているらしい。



なんとなく走っていると男バレが私たちの列に追いついた



「おっ!!!沙織!!!
お前らも今日は外周かぁ〜?」


明るく話しかけてくる日向とは違い、いつもより表情が固い影山くん


「うん!日向たちもなんだね!」


私も明るく返すが彼の表情は変わらない


「おい影山!!!
お前も沙織に言うことあんだろうが!」


その言葉に反応した影山くんが一気に怒った顔になる。


『うっせぇボゲ!!!!
日向ボゲェェェェ!!!!』



日向はにひひっと笑うと

「じゃ、お先〜!」

と走っていってしまった





どうしよう…



めちゃくちゃ気まずいんですけど!!!!






『あ、あのさ……』



私の走るスピードに合わせてくれる彼。



「どう…したの?」



そう言った瞬間彼との距離が一気に縮められた







『…今日、部活が終わったら校門で待っててくれるか?』



突然のことにフリーズする私



「え、あっあのどうし…て……?」



てか!

顔が近い近い近い!!!!!!



『……一緒に帰りたいからに決まってんだろ、ボゲ』





絶対私、今耳まで真っ赤だ…



「…いいよ、私でよければ!」



私の答えを聞くと

『じゃあな』

と言い残し彼はスピードをあげて日向を追いかけて行った




走っていく彼の耳も赤く見えたのはきっと気のせいなんかじゃない

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