逆裁部屋
□仕事と僕、どっちが魅力的?
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(うーん、中々気付いてもらえない。)
ポイッとクッションを放り投げ、フゥとため息をつきお腹をぼりぼりと掻く。そんな時、ボタンを掛け違えてた事に気付いた成歩堂は御剣に気付かれる前にと急いでボタンを外して掛け直そうとした。が、サラサラスベスベした生地な故に袖が邪魔でボタンが上手く外せない。悪戦苦闘しているといつの間に移動したやら急に背後から御剣の声がした。
「それは君からのお誘いと見て良いのかね。」
思ったより近くから聞こえた声にビクッと体が小さく跳ねる。
「み、御剣!いつから…?(気付いたんだ?)」
「君がボタン一つに齷齪(あくせく)しているとき、だな。急に人のパジャマを着て可愛らしくクッションを抱きしめたと思ったら今度は前をはだけさせるものだから、これはもうお誘いとしか受けとれぬだろう?」
そう言いながら御剣は器用に背後から手を這わす。首筋から鎖骨そして胸から突起に来ると人差し指と中指でやわやわと挟み、主張してきたソレを今度は親指と人差し指でつまみ上げた。
「ぁ…ッ!みつるぎ、それ最初から気付いて、ひっぁッ!」
御剣がスッと手を引くと、服の上からでも分かるくらい突起が立っていた。そして項にキスをして成歩堂の肩に顎を乗せると、今度はパジャマのボタンを掛けていってしまった。
「えっ?どうして…御剣?」
不満気に顔を向けると御剣はしっとりとしたキスを一つ。そこから今まで言われた事のない要求を口にした。
「せっかく私のパジャマを着ているんだ、脱ぐのは勿体ないだろう?その格好のまま一人でシてみてはくれないか?」
「はぁ!?ひ、一人でって御剣はどうするのッ」
「もちろん、見てるに決まっているだろう。こんなオイシイ状況で仕事出来る程割りきれた性格じゃないからな。」
そう言ってまた座っていた位置に戻ると優雅に足を組み成歩堂を見据えた。どうやら本当に御剣は何もする気は無いらしい。羞恥に肩を震わすも先ほどの御剣の手で高められた躰は一向に引かない。それどころか何処もかしこも熱くなり軽く見悶えるとシルクが乳首に擦れてそれすら快感を拾ってしまう。
「どうした?可愛い君をもっと私に見せてくれ。」
「い、意地が悪いぞ…御剣。」
「ふ…褒め言葉として受け取っておこう。」
駄目だ、このままじゃ拉致が明かない。ほんの少し期待を込めて御剣を見るも逆にソレ以上の期待した熱い眼差しに成歩堂が堕ちるしか無かった。仕方なくズボンを脱ごうとするがまた御剣の待て、との声に思わず顔を見た。
「私の服が君ので汚れる様を見たい。脱がずにずらすだけにしてくれ。」
「はぁぁあ!?」
もう顔面どころか首下まで真っ赤になる。仕事のし過ぎで頭がイカれたのかと思った。しかし意思の強い目は成歩堂を真っ直ぐに見据え、その奥に見える燻りに情事を彷彿してしまい、泣く泣く成歩堂は御剣の言葉に従うのだった。