□2. タンザナイト
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※ 忍足(侑)視点。


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_ 別に、

嫌われとる、とか
そんなん本気で言っとるわけやない。




それでも最近の宍戸が少し冷たいんは確実なんやけど。

こいつもこいつでこんな困った顔して……
今にも泣きそうやないか。




これでも慈悲深い俺やから
ちょっと助けてやらんでもないな。
こんなんただのありがた迷惑なお節介なんやけど。





「更に悲しい思いさせるようで悪いけど」


「はい……」


「こないだな〜、宍戸女とおったで」


「ええ⁈ それ本当ですか忍足さん……」


「俺が言うんやから間違いないで」





あー、鳳。
今の自分の顔見たら宍戸泣くで……

そんな目に涙溜めて、弱った子犬みたいな顔見せんといてや、俺が泣かせたみたいで割と傷つくわ。

まあ俺が泣かせたんやけど。




勿論、俺の知っとる限り宍戸に女なんかおらへんし、こんなあることないこと言うて去るほど俺は腐ってへんけど。




「でもなあ俺、もしかしたらお前らが上手くいくかもしれん方法知っとるんやけど……」


「な、なんでそれを早く言わないんですか!
教えてくださいよ!お願いします何でもしますから」




あいつ今、何でもって言うたな……

まあええわ。
こいつめっちゃ取り乱しとんなあ、宍戸のことほんまに好きなんやな……ちょっと引くわ。
宍戸が美脚やったら話は別やけど、別に言うほど足綺麗でもないしなあ。






「お前いつも宍戸にベタベタしすぎなんやないか。いつもくっついとる気ぃするんやけど。
付き合っとるわけでもあらへんし、攻めるん早すぎやで自分」


「そ、それは否定できませんね……」


「鳳、押してダメなら引いてみろ、って言葉知っとるか」


「なんですかそれ!そんな格言どこの誰が言ったんですか!その方は神か仏なんですか!拝みます俺!」


「ん、とりあえず落ち着け。
いいか、これからしばらく宍戸に素っ気ない態度とってみ。いつもベタベタしとるお前に慣れとる宍戸は、お前の異変に気付くやろ。
急に冷たくなったお前の様子を気にさせるんや。これで俺も今までに何十人ものお嬢さんを……」


「わかりました!
さっそくやってみます!」



最後まで話聞かんかい鳳。

まあ俺はそんな手使わんでも今までに何十人ものお嬢さんを………


そんな話は置いといて、や。

これから面白くなってきそうやな……
勘違いせんといてな宍戸。別にお前に普通の恋愛してほしくないわけやないんやで。




__ ただ、面白がっとるだけなんや、許してくれ。





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