秋桜
□長い夜
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ミオが真っ先に向かったのは
死の森付近の草原。
しゃがんで草をブチブチと引きちぎり
道具袋に突っ込んでいる。
それから森の中,林の中へと足を進め
また同じ作業を繰り返しキノコや樹液までも手に入れている様だった。
一通り満足した頃には陽が傾いていて
泊まる宿へと足を運ぶ。
「・・・特に異常はないな・・・・・・。」
ネジは約束通り遠くの方から白眼を使い監視をしていた。
目立ったこともなく宿へと向かうミオを見ていたが
こちらへとその人物が近づいてくる。
(・・・300m・・・100m)
『・・・もう用事は済んだから帰って良い』
そう言い残してパッと気配が消えたと思ったら既に宿に居るではないか。
「・・・。」
フッと笑うネジはその場を後にした。