桔梗
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『封印されたんでしょ?その化け狐は。なのに何故、彼を憎むの?』
「何を言ってるんだ。同じじゃないか!」
『でも、里を襲ったのは化け狐でナルト本人ではないでしょ?』
「アイツの中に忌々しい化け物が封印されてるんだぞ?」
何を言っても聞いてくれない。悲劇だと嘆いてばかり。過去ばかりで今を見ようとしない。
凛の中で何かが切れた。
『・・・まれ。』
「どうしたの?バケモノだってやっと気づいたの?」
『・・・黙れって言ってんだよ!!それ以上言うと・・・ 殺すよ?』
殺気を込めてニコッと笑えば
「ヒィィ」と腰を抜かし逃げる大人達を
背にナルトのいた場所へ戻るが
既にその姿はなくブランコはゆらゆら揺れているだけだった。
いたたまれない気持ちを抱え
火影邸へと足を運んだ。