桔梗

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過去に起こったことだからと
凛は頭の中で考えるが
震えが止まらない。

あの5年間は悲惨な物だった。
両親の遺産目当てで親戚が集まり
誰が私を引き取るのか、なすりつけあい

嫌々私を引き取った親戚の叔母,伯父は
洋服で隠れる所を狙って
殴ったり,蹴ったり、煙草を押し付けたり
食べ物に薬を混ぜられ
何度殺されかけたのだろう。

お前はいらない子なんだ。
なんだその色は?
血縁に異端がいるとか気持ち悪い
早く消えてくれ。


私は悪い子・・・。
私はイラナイコ。
はやくシンデシマエ。

脳裏に叔父の声が聞こえる
(両親もお前だけ置いていったんだよ。
お前が人とは違う。嫌いだから,憎いから。)

『・・・皆とは違うバケモノ。
ゴメンナサイ。ゴメンナサイ』

耳を抑えしゃがみこむ凛に
紅蓮と紫雲が駆け寄る
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