DB夢小説
□伝え方
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ダダダダダッ
『ウーイースーさーまー!!』
「はぁ…なかなか懲りませんねぇ…」
部屋に入ってすぐのところで
ウイス様が待っている
今日こそはいけるのかも!?
ダダダダダッ
『ウイス様ー!
私、ずっと前から好きでs…』
バタン
『ぐえっっっ‼⁉』
ゴツン
『っ〜〜〜!』
頭突きする勢いで向かって行ったので
突然閉められた扉に頭を強打
頭を抱えてその場にうずくまる
『ウイス様!
今日はいつにもましてひどいです!』
ギィ…
見上げるとふたたび開いた扉の向こうから
ウイス様が出てきた
「あら、そうでしたか?
オホホ 手加減というのは難しいですからねぇ」
ス…
するとウイス様は
そのまま私の横を通りすぎて行ってしまった
『…それでもあなたが好きですよ…♡』
うっとりと後ろ姿を眺める
「はぁ…
キミは何またバカなことしてるんだい?」
後ろから
トン、と肩に手を置かれて
振り返るとかがんだビルス様がいた
『ビルス様〜♪
今日もウイス様が呆れたように
私を見てくれたの〜』
ギュッ
「呆れた″ように″じゃなくて
あれは本当に呆れてるんだよ」
首に手を回して抱きつくと
ため息をつかれた
『ウイス様って
どうしてあんなに素敵なのかなぁ?』
「…ウイスのどこがいいのか
さっぱりわかんないんだけど」
『あの美形!素敵な声!喋り方!
上品で笑顔も最高!
気遣いもできるし優しいし強い!
文句のつけ所がない!』
「歌は下手だけど?」
『音痴なのも逆に萌え‼』
「…れいの好みは理解しがたいね」
『…あ、そういえば!
私明日ちょっと急用で呼び出されてて
母星に帰省することになってるんだった!
荷仕度しなきゃいけないからまたね!』
タタタタッ
そう言い残して私はその場を後にし
「…嵐みたいな奴だよ、まったく…」
なんてビルス様が呟いていた
*:・゜。*:・゜*
その頃のウイスは、と言えば…
「…はぁ…」
自室に戻ってため息をついていた
別にれいのことが
特別嫌いなわけではないんですが…
あそこまでド直球だと
反射的に逃げてしまうんですよね…
捕まったら最後、何をされるか…
…まぁ、捕まるなんてヘマ
私はしないんですけどね
「オホホホホ!」
そんなことを考えながら
私はいつもれいから逃げていた
…そんな日々に私は
まったく嫌とは感じていなかった
*:・゜。*:・゜*
翌日
なぜかれいの姿が見れない
いつもだったらすぐに
私の事を見つけ出して来るのに
無意識のうちにれいを探していた
するとビルス様が頭の後ろに手をやって
のんびりと近づいてくる
「何か探し物ー?」
「いえ…今日はれいの姿を
見ていないと思いまして」
そういうとビルス様は首をかしげた
「あれ、れいから聞いてない?
今日は急用でもう母星に帰省したよ?
まぁすぐ戻るって言ってたけどね」
「あら、そうだったんですね」
どうしてビルス様には言うのに
私には言ってはくれなかったのか…
「少しだけもやっとしますが
…まぁいいでしょう」
ぽつりと呟いて
私はれいのことをあまり気にせずにいた
*:・゜。*:・゜*
一週間後
「…おかしいですねぇ…」
「…?何がおかしいんだい?」
私の言葉にビルス様が反応する
「すぐ帰ると言ったわりには
まだここに戻っては来ないじゃありませんか」
口角を下げてむすっとしていると
ビルス様が首をかしげた
「たかが一週間じゃないか
何をそんなに拗ねているんだい?」
「いや、別に…
…拗ねてなんかいませんよ」
ふいっと顔をそらして
私はビルス様から離れた
「ったく、素直じゃないなぁ…」
*:・゜。*:・゜*
…そんな風に
見栄をはってれいの帰りが遅いのを
気にしないように過ごしているうちに
気がつけば一ヶ月、
あっという間に過ぎていった
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