短編
□ナツコイ
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「あー、疲れた」
それが私の毎日の口癖
高校卒業後、家業を継ぐのが嫌で本当に勢いで東京に上京してきた
音楽の勉強をしたり、組んでるバンドでステージに立つ日もあれば、居酒屋でバイトをしたり、それなりに忙しく過ごしている
最初は夢だった一人暮らしにワクワクしてたけど、もう半年も経てば社会の現実を見て、親の有り難みに気付く事が出来た
もしタイムマシーンがあれば半年前のガキだった自分を殴りに行きたいくらいだ
そろそろ素直になって親孝行しに地元に帰ろうか、、
でも素直になりきれない自分がなかなかその一歩を踏み出せずにいた
今日もバイトを終えて狭いワンルームのアパートに帰る
たまーに、ファンの子をお持ち帰りして楽しむ事もある。なんて事はどうだっていい
家に着いたのは午前2時
ベッドにダイブして一息ついたら、タイミング良くLINEの通知音がなったので携帯を開く
『明日、泊めてくれへん?』
「はぁっ!?」
思わず声が出た
だってそのLINEの相手は私がずっと片想いしていた美優紀からだったから