小説

□登校、そして紹介
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「エナ!ネクタイってこれでいいのか⁉」
「どれどれ…ってわあ!いやっ…うん!初めてなら仕方ない!こっち来て御巫くん、僕がやるよ」
あの後僕らは3人とも、僕の家で目覚めた。
ここに住んでいる僕らはともかく、御巫くんは行くところがない。
それで、僕らの学校に入学する代わりに、学校の寮に入れてもらえる事になったのだ。
それまで僕の家に泊まって、今日は初めての登校日。
支給された制服を着て、一緒に登校しようとしているところだ。
「用意できましたー?」
「今できたよ」
「どうだ、アオ?」
「うん!似合ってるよ、御巫くん」
アオが笑顔で親指を立てる。
「そういえばお前ら初めて会った時これ着てたよなー」
「ああ、あの時は学校の帰りだったからね」
「………村は、大丈夫かな」
御巫くんがぽつりと呟く。
アオから聞いた話によると、あの時点では重傷者はいたものの死亡者はおらず、また村の家々などもほぼ無事だったそうだ。
それでも、村に帰れない御巫くんの気持ちは、僕らにはわからないところもあるんだろう。
「御巫くん…」
「ま、アオが大丈夫っつったんだ!それより、もう行った方がいいんじゃねぇか?」
「え、あ、もう8時だ!急ごう!」
「はい!エナ様!」
僕たちはバタバタと家を出た。





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