小説

□アオ-尋問-
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「お前の主人は御巫の家で面倒を見ている。あいつなら粗末に扱うような真似はしないだろう」
「みこくん?あの黄色い子?」
「ああ」
「ふーん、ありがとね」
笑顔は崩さないままで、適当に相槌を打つ。
外はもう暗いだろう。
あの人はもう夕飯は食べたのだろうか。何か不自由はしていないか。
私は一部の拘束が解かれて起きあがれるようになっただけまだマシだが。
「それではお前の尋問を始め…」
「あ〜〜、ちょい待ってよ」
「…何だ?」
私が言葉を遮ると、少し気分を害したようだ。眉の間にヒビが入った。
この子短気だね。多分彼女いないね。
「2、3個確認しときたいんだよねー。まず今の時代なんだけどさ。今2016年じゃないよね?」
「2000…?違うな。今はルト暦で6852年だ」
「ルト暦で6852かあ…。じゃあこっちでは紀元前700年くらいかな〜」
「よくわからんが、そうなのか?」
「まあ今の年号が作られたのも割と最近だしねー。…うぅん?そういや言葉が通じてるね?」
「…?そのようだな。」
…なるほどね。こりゃあうまくいってるね。いきすぎてるっていってもいいよ。
「まあ翻訳コンニャク出さなくて良かったから私はいいけどさ」
「…何言ってんだ?」
「何もないよ。さっどうぞ?ほわいどんちゅー?」
「…では始める」
あらまぁ、もうツッコミを放棄しちゃったよ。つまんないな。
やっぱりこの子彼女いないね。




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