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□想像
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十四松は想像する事が好きらしい。
これを、こーして、あーしたらどうなるかな?と、
考えるのが面白いというのだ。
まあ、確かに面白くないというわけではない遊びだ。
「一松にーさん!!!」「おう」
そんな事を考えてたら十四松が飛びついて来た。
なんつーか、可愛いよな。母性がくすぐられるというか。
正直俺は十四松の事が好きだ。
気持ち悪いとか言われるよな(笑)普通。
兄弟で、しかも弟を好きなんてな。
ちなみに俺の言う「好き」は、恋愛的な意味での「好き」だ。
近親相姦かよ(笑)ウケる(笑)
きっと好きって言っても、コイツは兄弟愛的な意味での
「好き」と捉えるだろう。
コイツそーいうやつだもん。馬鹿だし。いや、俺もか。ははは。
「一松にーさん、どーしたんすか??悲しそうっすね!!!」
「そんなわけないやろが〜」「さよか〜」
そんな感じでやってると十四松は俺の膝の上で
寝転んだ。
「うぉっ、どうした」「眠いんすよぉ(笑)」
「せや、俺も寝たろ(笑)」「せやね!笑笑」


















































































































「…ん」「あれ、いま何時だ…?」
昼寝を始めたのが昼すぎ。あたりは真っ暗。
茶の間は賑やかだ。
きっともう夕飯時なのだろう。
腹も減った。さて、十四松を起こして…

「…十四松?」

俺は横たわる十四松を揺さぶった。
笑ってもない。かと言って、
真顔っていうわけでもない。そんな状態で
目を伏せている十四松。
…冷たい?

「えっ、お、おい、十四松?起きろよ、
へんな冗談止めろよ…おい、起きろって」

十四松は起きなかった。変化なんてない。
いや、まて。よく見ると、
目元が光っていた。
…泣いている。
雫がぽたりと垂れていた。一松は、
目からこぼれ落ちる涙を拭い、
十四松を抱きしめた。
「じゅぅしまつ…起きろよ…」































「おはよーーーーーーーーーーーーーっす!!!!!!!!!」
「ウワアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!」

「え?え?じゅ、じゅぅ、し、ま」
「どうしたのー?いちまつにーさん!!」
「…っ、(´;ω;`)」
「(°□°;)えっ!?」

俺は十四松を抱きしめた。これ以上ない強い力で。
離したくない。離せない。おれの大切な人。

「十四松…」
「!どうしたんすか?」









「おれ…お前が好きだ」









「…へへっ、僕も大好きだよ❀(*´▽`*)❀」

ああ、だめだ。やっぱり兄弟愛的な意味での愛と捉えている。
だよな。十四松だしな。

「十四松、猫の餌やりに行こうぜ」
「( ´ ▽ ` )ゞラジャーうんこしてくるから行ってて!」
「りょーかーい」








たった一人になった部屋の中、十四松は立ち尽くした。
顔は真っ赤で、目は混乱を表している。
そして呟いた。








「き、きっと兄弟愛的な意味での好き…だよね?へへ…」










【おしまい♪】

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