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□それではみなさんさようなら
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僕は色々とあったが師匠のおかげ(?)で大学生になった。
今でも僕は相談所で働いている。
楽しかった。でも、
あの日が来るまでは。

ーーーー約五年前ーーーー

「師匠、こんにちは」

「ようモブ」

その日は随分と天候が悪かった。雨が土砂降りだった。
そして天候よりも気になったのが師匠。
師匠は最近やつれて、目の下にクマも出来て元気が無かった。

「おい霊幻大丈夫かよ。無理して来なくてもいいんだぞ」

「そうですよ師匠。たまには息抜きも必要ですよ」

そうは言っても師匠は「大丈夫だから」としか
言わなかった。熱も無いし単なる寝不足なのだろうか。
すると突然師匠は立ち上がり、
「散歩行ってくる。すぐ帰るからな」
と言って傘を持ち外を出た。カンカンカンと階段の音が響く。
「なあシゲオ」

「ん?どうしたの」

「霊幻なんかあったのか」

「さあ、わからない。」

「じゃあ後で芦沢も誘ってカラオケ行こうぜ」

「・・・・うん!そうだね。元気が出るといいなぁ。」

と、その時。
プルルルルルルル・・・・・
電話が鳴り響いた。

「はい、こちら霊とか相談所です。」

「あ、モブか」

相手は師匠だった。

「師匠?どうしました?忘れ物ですか?」

「モブ、エクボ、窓を見てくれないか?」

「え?窓?」

「おい、シゲオどうし」



僕が見た光景は師匠がビルの屋上から、こちらを見ながら
落ちていく姿。

「ばいばい」








僕はそれ以来超能力が使えなくなり、
エクボも見えなくなった。

後々聞いた話によると師匠は精神的に病んでいたらしい。
薬のビンが大量に家で発見された。

【おしまい】

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