本
□教えてよ。
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光のことなんて、俺はただの後輩だとしか思ってない。
そう、ただの後輩のはずなのに。
それなのに、この状況はおかしい。
誰がどう考えても、おかしいのだ。
「けーんーらーさん?こっちむいてー!」
「……、は、はなれや」
「おねがいやからぁ、ねぇなんでぇ?」
「ぁあもうなんで?!?!」
なんで、
なんで俺はドキドキしてんねん!!
事の発展は一時間前。
今日は教員会議とかなんかで、生徒は早帰りやった。せやから光を、うちに誘ったんや。ダブルスの話もしたかったし、クリア出来んゲームもあったからそれも攻略して欲しかった。
そこまではなんの問題もなかった。無かったんやけど、そこからがあかんかったんや。
光をうちに呼んだんはええものの、ジュースとかお菓子もきれてたみたいで、その場にあった青いジュースらしきものを光に出した。したら光のやつ、「わーい、ジュースや!!のど乾いてたんや!!」て嬉しそうに言うて、もう一気飲みや。かわええやっちゃな思って俺もそのジュースを飲んだら、めっさ変な味がした。せやから見てみたら、なんとそれがアルコールで……。慌てて光を見たらもうすでにでろんでろんのグダグダやった。したら光のやつ、俺押し倒してきてそして今に至るっちゅー事やねん。
ははは……気を付けなあかん……
ちゅうわけで俺は今、自分の注意力のなさにめっちゃ後悔しとる。
そして、妙な光の色気を恨みつつものすごく興奮している。
「ふふ、顔真っ赤やん。謙也さんごっつかわええー。」
「はあ?!お、お前かて真っ赤やし!」
「うん、けんやさんとぎゅーしてるとどきどきして真っ赤なってまう」
……っ……
なんっっっやこれかわえええええ!!!なんてかわええ生き物なんや!!反則やろ!!あーあかん!めっちゃおいしい!
こいつはただの後輩……と、分かっていても、この色気に落ちない男が居るともおもえへん。
「〜〜〜ひかるううう!!」
「うあっ!」
光の頭でゴンって音がしたけど、どうやら俺は理性が切れていたらしく、無我夢中で噛み付いた。すると光も、俺のえりをつかみ交わりを深め、積極的に舌を絡めてきた。
あ、あかん、チンコ痛い。
「な、なあ光、してもええ?」
「はぅ、なにをですかー?」
「な、なにをって……言わせんなや!!」
「えぇーーーいわなわからへんわぁ、」
こ、こいつっ!!絶対わざとやろ!!!
光は赤い舌をチロチロ指せながら、やらしく誘惑してくる。
そして、俺の胸もとで指をクネクネさせてから、
「ねぇ、教えてやぁ。」
俺にはその愛らしい彼に噛み付く以外、選択肢はないらしい。