文スト番外編
□ポートマフィアの濃い日常其の壱
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───午前七時二十分
とある日の朝、時期幹部候補である中原中也は、首領の執務室へと向かっていた。
一時間程前に、中也の携帯電話へ一通の電子書面が届いていた。
電子書面の差出人はポートマフィアの首領である森鷗外からであった。
朝特有の気怠さや眠気が一発で消し飛び、大急ぎで仕度を済ませると車を飛ばしてポートマフィアのビルへと入って行った。
「(首領直々に呼び出し…?何か重要な任務か、それとも裏切り者の処分か……?
………若しかして…)」
と、そこまで考えて「否、それは無い筈だ」と、頭を振ってその考えを打ち消した。
チンッ
昇降機が最上階へと着いた。
軽く顎を引き、何処か緊張した面持ちで首領の執務室へと歩いて行く。
扉の前まで行くと、立ち止まり、深呼吸した後に声を掛けた。
「首領 中原です。這入ります」
「ねえアスラちゃん!このドレス着てみてよ!エリスちゃんと御揃いなのだよ!(ドタドタ…!)」
「Σ厭ですよ!絶対に襞たっぷりのドレスは着ませんよ?!(バタバタタ…!)」
…………今のは空耳だと思い、もう一呼吸置いてから再び声を掛けた。
「首領 中原です。這入ります」
「っつーか!見てないで太宰も何か云ってくんないの?!!(ドタドタバタバタ)」
「悪いねアスラ 私も着てくれないと困るのだよねぇ」
「裏切り者ぉぉぉぉ((泣))!!!」
………如何やら太宰とアスラも来ているようだ。
不穏な台詞が二言三言聞こえたが、もう気にしないことにした。
中也は扉を開ける。
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