文スト番外編
□ポートマフィアの濃い日常其の弍
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珍しく、ポートマフィアは平和だった。
鳥は唄い、花は咲き乱れ、太陽の光が迚も気持ちの善い昼下がり。
裏の社会事情などうっかり忘れてしまいそうな程の、平和な時間が流れている。
平日の昼間、ポートマフィアは珍しいこの平和な時間を享受していた。
あの太宰も、あの冷血漢の太宰も(大事なので二度云t)中也にちょっかいを掛けず、つい最近発見した新しい自殺方法を試したりしていた。
勿論部下が何とかやめてもらう様に全身全霊命懸けて止めに入ってる。
………が、そうは問屋が卸さない。
平和は長く続かないのが当たり前。
太宰の執務室に向けて、何やらドタドタと騒がしい足音が近付いてきた。
バタァーンッ!!!
「オイ糞太宰!!!」
足で扉を蹴り開けて来たのは中也だった。
「一寸、その短い足で無駄な馬鹿力発揮しないでくれる?扉が壊れたらどうするの?」
「手前ェはいちいち一言余計なんだよ(怒)!!!」
ズカズカと小脇に何かを抱え乍ら執務室に入って来る。
「折角これから新しい自殺方法を試そうと…」
思ったのに、とは云えなかった。
あの太宰が驚きの余り、言葉を失ってしまっていたのだ。
「……中也、説明がほしいのだけど」
中也が小脇に抱えていたのは………。
「あい?」
小さくなったアスラだった。
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