◆刀剣・刀さにNL小説◆

□【三日月】監獄の秘め事・初稿
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「ふむ、声は聞かさぬというわけか。ならば、堪えきれぬようにしてやるまでだな」

「――っ、やあああ……っ!!」

 脚の間をその場所に下着の上から触れられて、少女はひときわ高い声を上げる。

「やっ…… そこ…… だめなの……っ」

「なぜだ? ここは女人の最もよい場所なのだろう?」

 少女の割れ目の最も深い谷間の部分。三日月はまるで狙ったように、そこにばかり触れてくる。まるで、指を離すのが惜しいと言わんばかりの執拗な愛撫だ。

 その肉厚の感触を確かめるかのように、三日月は少女のそこを何度もなぞり、丁寧に撫であげた。そして三日月は、少女の割れ目の最も深く柔らかな部分を、指の腹で押さえつけた。

 そんなことをされては、堪えきれるはずもない。極まった少女は甲高い悲鳴を上げる。

「やっ……!!」

 その場所は彼ではない三日月の猛りをいつも受け止めていた、彼女の秘められた入口だった。頼りない薄い布地に覆われただけの無防備なそこに、男の節くれだった指を沈められてしまえば、感じてしまう他ない。

「だめ…… やめて……」

 少女はあえかな声で三日月にそう願うが、彼は容赦なく少女のそこにさらなる愛撫を加えてゆく。

「……っ!」

 彼女の意志とは裏腹に。快楽に従順な少女のそこは、ほんのひととき男の指先で愛されただけで、熱く柔らかく溶けてしまった。男の昂ぶりの挿入を求めて、その内側を浅ましく濡らしてゆく。

「はは…… 嫌よ嫌よも何とやら、だな」

 自分の手によって、可憐な少女の清らかな肉体から淫らな本性を引き出して、欲に塗れた貪婪な女に仕立て上げてゆく。それは、男にとってはこの上もなく愉快な遊びだ。

 少女が自らの慎ましく小さな蕾を綻ばせ、見事な大輪の花を咲かせてゆく様をしっかりと見届けてやりながら、三日月は喉を鳴らして笑う。 

「……っ」

 自らの最も大切な場所を彼の好きにされながら、少女は悔しさに唇を噛む。今や少女の秘められた小さな入口は、三日月の手によって淫らに暴かれて、薄い布越しにはしたない蜜を溢れさせていた。

 一度でも花開いてしまったら、蕾だった頃になど戻れるはずもない。こんなにも見事に咲いてしまったのならなおさらだ。

 もうひとりの三日月の手によって花開いてしまった少女の秘部は、彼の手によって摘まれ散らされるために咲いた、可憐な花そのものだった。

 少女は唇を噛んで瞳を閉じた。自分の肉体だというのに、その場所の淫らな反応を抑えることができず、悔しくて仕方がない。

 しかし、本能に刻まれた欲望に理性が太刀打ちできるはずもなかった。肉体の欲求に従って、あまりにも素直な彼女のそこは、しきりに心地よさを訴える。男の指に可愛がられながら、自分自身をさらに熱く潤してゆく。

 もっと深くまで、もっと直截にその場所を愛されたいと、自身の全てで訴える少女のそこを、三日月は彼女の肉体が望む通りに愛していった。

 少女の下着をずらしてやり、むき出しになった彼女のその場所に、ついに指を差し入れる。

「あっ…… ん……」

 切なげな喘ぎを漏らし、眉を寄せる少女の媚態を鑑賞しながら、三日月はさらに指を増やして、熱く濡れた少女の内側を押し広げてゆく。

 きっちりと揃えられた三日月の指が、少女の体内でゆっくりと大きく動かされ、あるいは意志を持ってばらばらと動き、少女の秘部を蹂躙していく。

 そして三日月は蹂躙の合間に、主人愛用の媚薬を少女のその場所に塗りつけていった。

 外気に晒されている入り口の花弁やその浅瀬、そして長い指や張り詰めた性器を差し入れなければ届かない、彼女の肉体の最奥にまで、丁寧に塗りこめてゆく。

「あ……っ ああ……っ」

 秘薬の効果なのか、それとも三日月の愛撫があまりにも巧みだったからなのか。少女はあっけなくその意識と正気とを手放してしまう。



 もう一人の三日月に思うさま無垢な肉体を嬲られて。今や彼女は焦点の定まらぬ瞳で、うっすらと笑みを浮かべながら喘いでいた。

 少女の脚の間の熟しきったそこは、女性らしい素直な柔らかさと弾力でもって、三日月の愛を受けていた。潤った自身の内側に差し入れられた彼の指先にしっかりと絡みつき、もう離さないとばかりに、きゅうきゅうと締めつける。

 三日月の愛撫はどうしようもないほどに的確だった。無垢な少女の肉体は彼の手によって倦んだ熱を持たされて、そしてその身体はしきりに、さらなる悦楽を求めるのだ。

 先ほどから彼女の割れ目に施されていた愛撫はやがて、そのすぐ上にある小さな肉刺に移っていった。そこは少女が最も感じてしまう敏感な突起だ。

 そんな場所に直接触れられて、少女は身体を弓なりにしならせた。

「ああっ……!」

 薄く開かれた唇から漏れ出たのは、ひときわ甲高い甘い喘ぎだ。それは紛れもなく相手の男に媚びるもので、さらなる刺激を求めていた。

 焦点を失った彼女の瞳がさらに溶け、その唇から「もっと」とこぼれたのを聞き届け。三日月は楽しげにつぶやいた。

「……面白くなってきたな」

 煽るような言葉にも、少女はもう何の反応も返さない。下肢の突起を三日月に好きに弄られながら、焦点を失った瞳を溶かすばかりだ。

「欲求に素直なそなたが愛しいぞ。さて、そなたのここはどのように俺を受け入れてくれるのだろうな?」

 肉欲の世界に堕した少女の痴態を楽しみながら、三日月は少女の小さな割れ目に指を差し入れて緩く動かしてやりながら、最も敏感な突起を爪先で何度も弾いてやる。

「あ……っ んん……っ」

 突起を弾かれるたびに、心地よさそうな声を上げながら、着衣の乱された身体をよじる少女に、気を良くした三日月は再び喉を鳴らして笑った。

「なるほど、身体は正直というわけか…… 一度言ってみたい言葉だな」

 そして、三日月はいったん少女の身体から離れると、これまで大きく広げられていた彼女の両脚を一旦閉じさせた。彼女の下肢を覆う下着に指を掛け、ゆっくりと引き下ろそうとする。

 すると、彼女の腰が三日月の行為に応えるように浮き上がった。自ら腰を浮かせる浅ましい少女の姿に、三日月は笑みを深くする。

「……ほう、そなたから求めてくれるか」

 秘薬の効能であるとはいえ、彼女の方から求められれば、やはり優越感と征服欲とが満たされる。

「……気丈なそなたが崩れてゆく様を眺めるのは、面白くて仕方がないよ」

 少女もまた、光を失った瞳を笑みの形に細めていた。その様は眼前の男の股間の猛りを欲しがる、淫らな女そのもので。

「……さぁて、どのようにしてくれようか……」

 両脚を男の前で大きく広げ、濡れそぼった剥きだしのそこを、艶然とした笑みを浮かべながら見せつけてくる裸の少女。

 そんな彼女を見おろしながら、もう一人の三日月は打ち除けの浮かぶ瞳を満足げに細めた。



「……ああっ ……ああっ」

 三日月の抜き差しの律動に合わせるように、少女は薄く開いた唇から、恍惚に浸った喘ぎを漏らす。

「……ああ、可愛いぞ。そなたがこんなにも好色な女だとは思わなんだわ」

 彼女のそこへの責めを繰り返しながら、三日月はまるで熱に浮かされたようにつぶやく。

 しかし、少女のそこに入れられていたのは、三日月の股間の昂ぶりではなく、媚薬が塗られた彼の骨ばった長い指であった。

 けれども、大きく口を広げながら、何本もの指を呑み込む浅ましい彼女のそこは、男の昂ぶりを差し入れられている、淫らな女陰そのもので。三日月の愛撫もまた、指先をきっちりと揃え一定の拍子で抜き差しするという、そのときさながらのものだった。

 三日月の指が少女の濡れたそこから引きずり出されると同時に、少女は恍惚の笑みを浮かべて、もうたまらないとばかりに真っ白な裸身をのけぞらせる。

 彼女がその身をよじるたびに、二つの胸の膨らみがふるふると揺れ、ぷっくりとたち上がった突端が自身の存在を三日月に向けて主張した。

「んん……っ」

 少女は可憐な嬌声を上げながら、彼の眼前で欲に溺れた媚態を披露し、三日月をこれ以上ないほどに喜ばせていた。

「可愛いぞ…… ますますそなたが愛おしくなる……」

 少女の反応に昂ぶった三日月は、少女のその場所に差し込む指をさらに増やす。三日月の執拗なほどの前戯と、鋭敏な粘膜に塗りこめられた媚薬によって、準備を整えられていた彼女の秘所は、増やされた指も易々と呑み込んだ。

「ああっ……!」

 彼がきっちりと揃えた指を抜き差しするたびに、薬によって理性を奪われた少女は、もうたまらないとばかりに乱れて、三日月の視線を受けながら、見事な痴態を演じてしまう。

 何本もの彼の指をその場所に差し入れられて、勢いよく引きずり出される。たったそれだけのことが、どうしてこんなにも心地よいのだろう。

 三日月に抜き差しをされながら、浅ましい欲求に囚われた少女は、いかんともしがたい淫らな疼きに、その心を支配されていた。指ではなく股間の昂ぶりで、自身のその場所を穿って欲しい。

 荒い息を吐きながら、じれったい思いで半裸の身体をくねらせて、少女はまるでねだるように、三日月の動きに合わせて、自ら腰を揺らしていた。

 指だけでは足りない。彼自身が欲しい。――もう我慢できない。一糸纏わぬ両脚を大きく開き、熱く濡れたその場所を彼に見せつけながら、少女は夢中で細い腰を揺らしたて、媚のにじんだ声を上げた。そして、ついに。彼女の唇から再び、彼を欲しがる言葉が漏れる。

 しかし、少女にそこまで誘惑されても。三日月はただ穏やかな笑みを浮かべて、その優しすぎるほどの愛撫を続けるだけだ。

「ああっ…… ああ……」

 じれったそうな様子で、少女は切なげに眉を寄せる。

 まるでその場所をじっくりと煮詰めてゆくかのような、三日月の優しく丁寧な愛撫。確かに心地よいけれど、これではまるで生殺しだ。

 このままでは気が変になってしまう。少女は再度、三日月に彼自身が欲しいと願った。

 当初は三日月を拒んでいた潔癖な少女は今や、彼の猛りを懸命に求める淫らな女へと変貌していた。ふたりきりの牢獄で、今や少女はもう一人の三日月に囚われて、篭絡されていた。

 そんな彼女を見おろして、三日月は薄い笑みを浮かべる。

「……おやおや、もっと手ごたえのあるおなごかと思っておったが、存外あっけないものだな」

 まだもう一人の彼しか触れたことのない少女のそこから、自らの指を引きずり出すと。三日月はついに袴の腰紐に手を掛けた。

「それでは、俺も楽しませてもらうとしようか」

 いよいよ彼女の全てを奪ってやれる。三日月が自分自身を昂ぶらせた、そのとき。



 遥かから響いてくる軍靴の音に、三日月は身体を震わせる。足音の主など間違えようもない。自らの主たるあの青年だ。

 彼の獲物を盗み食いしようとしていたことが露見すれば、いかな自分といえども刀解の憂き目に遭うかもしれない。

「……っ!」

 三日月は名残惜しそうに呻くと、淫らな芳香をその身体から放つ少女から離れ、そそくさと彼女の着衣を整えた。そして、これまでの行為の痕跡を可能な限り消してから、自らの主を出迎えた。



「――何をしている、三日月宗近」

 低い声とともに現れたのは予想に違わず、彼の主たるあの青年だった。彼のぞっとするほどの冷たい瞳に、三日月は身体を固くする。

「それは俺の獲物だと言ったはずだ」

 青年の声はそう広くない牢獄に反響し、まるでこだまのように響いた。その声に、これまで意識を混濁させていた少女は、次第に正気を取り戻してゆく。

「道具風情が主の獲物を盗み食いか。生意気が過ぎるぞ」

 主人にそれだの道具風情だのと詰られても、三日月は無言だった。何の反論もせずに、その場に控えている。

そして。

「――失せろ」

 青年審神者の一言で、三日月はあっさりと引き下がった。先ほどまであんなにも執着し、蹂躙しようとしていた少女を一顧だにせず、その場から立ち去る。

 三日月のその様子に、少女は刀剣男士たる彼らと、彼らを顕現させた審神者の、力関係を思い出していた。

 鍛刀によって刀剣男士を現世に呼び起こし、刀解により彼らを殺すこともできる審神者は、いわば男士たちの生殺与奪の権を握る絶対的な存在だ。いかに天下五剣が一振りたる三日月宗近といえども、そんな審神者に逆らうことなどできない。

 三日月自身もそれを理解しているのだろう。だからこそ、その誇りを捨ててまで、あの青年の言いなりになっている。

「――ようやく二人きりになれたな」

 妙に楽しげにそう口にして、青年は切れ長の瞳を眇める。三日月が去った今は、彼の言葉通りこの場にいるのは、青年と少女の二人だけだ。眼前の相手の瞳の奥に確かな狂気を見つけて、少女は身体を竦ませる。

「ここしばらくは男ばかりだったからな。久しぶりに女の味が恋しくなったんだよ」

 卑しい薄笑いを浮かべながらこちらに近づいてくる男に、少女は自本丸の三日月の台詞を思い出していた。

『見目麗しい刀剣に、夜伽を強要する者までおってな』

 やはりあの噂は本当だったのだ。少女の心の内に怒りがわいてくる。権力を笠に着た卑劣な振る舞いは許せない。

 とはいえいかに腹が立っても、武術の達人という男にかなう手だてなど、今の彼女にはない。少女が唯一できるのは。

「……来ないでください」

 彼をそう拒絶し、後ずさることだけだ。けれど、それが何の意味もなさないことくらい、当の少女本人が一番よく分かっていた。
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