Silver Soul dream


□疾風
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「真琴‥‥」

 熱に浮かされたような、うっとりとした甘い声。それにすらも私は快感を覚える。
 耳に軽くキスされ、優しい唇で刺激される。彼の速く熱い息遣いが、私をますます昂らせた。
 舌は鎖骨を這い回り、どきどき吸い付いては、あざやかな鬱血の跡を付けていった。
 着物の合わせを無理矢理に広げられ、邪魔だと言うように帯をも外す。
 剥き出しになった胸を、節ばった大きな手のひらで覆った。

「さすが‥‥敏感だな」

 ふにふにと柔らかさを確かめたあと、指で硬くなりかけている乳首にそっと触れる。
 コンプレックスである小振りな胸に注目され、顔が熱くなった。

「ふぅ‥‥」

 荒い息を抑えきれなくなり、大きく吐き出した。

「はぁ‥‥あぁ‥‥」

 緩やかな快感は、私に喋る余裕を与えてくれる。

「銀時‥‥?」

「あ?」

 どうした? と顔を覗き込んでくる。
 少し無理な体勢になってしまったが、彼の後頭部を引き寄せると、首を伸ばしてキスをした。

「気持ちよくなってきたか?」

 銀時は少しぎょっとしたようだが、優しげに微笑むとそう尋ねる。
 私は上の空で頷くと、銀時に身を委ねた。



 ふと目が覚めると、部屋の中は白んでいた。横には銀時がまだ眠っている。

「銀時」

 体を揺り動かしながら呼ぶと、ゆっくり目を開けた。

「わり‥‥、先寝ちまってたか? ごめんな」

 どうやら寝ぼけているようで、私を抱き寄せ、額にキスを落とした。
 思わず熱くなった私の頬を見て、銀時は奇妙に思ったようだ。

「‥‥おはよ。もう朝なんだけど」

 私は小声で言った。

「えっ」

 彼は自分の間違いに気付くと、取り繕うように慌てて言った。

「いや、違うからね!? 昨日の夜のことは覚えてるからね!?」

「はいはい」

 そんな銀時がおかしくて、私は笑いながら返事をすると、彼の額にキスをした。

「私もちゃんと、覚えてる」










End




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