Silver Soul dream
□言の葉
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「え、マジか。絶対同い年か年下だと思ってた」
彼女は驚きを隠すことなくそう言った。
「‥‥そんな驚くことですかね」
このような反応に慣れている俺は、彼女とは打って変わった冷静な答えを返す。
真選組の副長真琴さんはとても腕が立つ。
元々はゴロツキの類いで、一度俺たちに捕まりそうになった。
しかし捜査によって正当防衛が判明した彼女に、既に副長だった土方さんはこう持ちかけた。――ここで働かないか、と。
まあいわゆるヘッドハンティングだ。そのとき真選組はとにかく実績が欲しがった。
女人禁制の真選組に彼女がいるのはそういう訳だ。
初めはヒラの隊士だったが、功績と実力が評価され今や副長。あっという間に追い抜かされてしまった。
「じゃあ呼び捨てじゃあダメじゃん」
ハッとしたような彼女の呟きに、俺はぎょっとした。
「いや別に俺は‥‥」
気にしてない――それに呼び方が急に変わるのは――
そう続けようとしたのだが、あっけなく遮られた。
「退さん、だな」
真琴さんは満足したようにうんうんと頷く。彼女の中ではもう決定事項のようだ。
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