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□陽だまりの彼女 〜エンディング〜
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それから、七瀬が帰って来なくなってから月日が経っていた........
健人も言われた通り、七瀬の記憶が消えていた
『ヒュ〜♪』
健人は口笛を吹きながら、会社に向かっていた
ドンッ!
『あ!すいません!』
健人は口笛を吹きながら歩いていると、荷物を抱えた二人の老夫婦とぶつかってしまった
「ちょっとあなた前見てなさいよ!ゴメンねぇ〜」
『いえいえ、こちらこそすいません』
「すまんな。ちょっと浮かれてしもうててな」
『そうなんですか?それは良かったですね』
そう言いながら健人は落ちてしまった二人の荷物を拾っていた
すると....
『猫....ですか?』
「そうなんじゃ。最近捨て猫を拾ってなぁ」
「本当に急に拾ってきて困ってねぇ」
『そうなんですか。幸せそうですね』
健人は拾い終わると、老夫婦に拾った物を全部渡す
『すいませんでした』
「本当にすまんね」
「七瀬が怒るわよ?汚なすぎて!」
『七瀬?』
老夫婦の奥さんがそう言うと、健人は反応した
「拾った猫の名前が七瀬なのよ。何か人間みたいな名前よねぇ」
「うるさい。ふと浮かんだんじゃ!」
老夫婦は小さい喧嘩を始めたが、健人は見つめるしかなかった
「あら?すいません。変な所をお見せしてしまって。ほら!あなた行くわよ」
「ったく、どうも〜」
『いいえ〜』
そう言うと健人はその老夫婦と別れた